政策提言の仕事が印象に残っています。
それは、竹村健一さんのTV番組だったんですが、乱脈経営で二信組が潰れた問題を取り上げたことがあったんです。当時のマスコミは、とんでもないということで、そんなものに都や政府が金を出すべきじゃないという論評になっていました。そのような時に、私が竹村健一さんの番組に呼ばれたんです。
私の前にトップクラスの政治家や企業経営者の方々が7人くらい並んでいらして、竹村さんが納税者の立場から質問していくわけです。
「この問題に対して金を出すべきだと考えますか?」と。
すると、全員が次々に「出すべきでない」と答えるんです。
私が一番若かったので、最後に私の番になったんです。その時、どうしようかと思いました。
日本を代表するような人達がとんでもない、ダメだと言っているわけですから。
私はコンチネンタルイリノイ銀行(1984年に潰れたアメリカの大手銀行。当時は大口預金者から問題が発生した)を例に、大口預金者から問題が発生するような状況を放置したら、金融システムは全部おかしくなる、だから公的資金で大口預金者をちゃんと面倒みるべきだと言った。
あの時は心臓が破裂するくらい緊張しました。
これを言ったら、もう会社に戻れないんじゃないか。
国外追放になるんじゃないかと思うくらい、あの時は緊張しました。
当時はまだ40才になっていないくらいで、他の方は60才くらいの大御所ばかりでしたから。
しかし、それを言ったら竹村さんが、「そうだ」と言ってくれたんです。そうしたら、そこから流れが変わった。
1人を除いて全員が次々と賛成してくれたんです。
あの時は、「ああ、言ってよかったなぁ」と思いました。
誰か1人が言ってくれればいいんですが、7人全員が反対だったもんですから。
あの時の緊張は今でも忘れないですね。二信組問題があれ以上大きくならなかったのは、このTV番組がきっかけだったと思います。 |