| 【イギリスにおけるパブリックサポートサービス企業の隆盛】 |
| イギリスには、行政や民間企業からアウトソーシング業務を受けるサポートサービス企業が多数存在。ロンドン証券取引所にはビジネス・サポートサービスという産業分類項目が存在し、現在は200社を越える該当企業が上場している。 |
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官公庁業務のアウトソーシングの原型はサッチャー政権における競争強制入札で、その対象は公共事業からゴミ収集・学校給食へと拡大。メジャー政権下で住民への対面サービスや内部事務を行うまでになった。 |
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ブレア政権でアウトソーシングの促進は「ベストバリュー」と名称変更され、包括的アウトソーシングが中央省庁・地方自治体で積極的に展開されるようになった。 |
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行政アウトソーシングビジネスのシェアNo.1企業はCapita Group(売上高約3,300億円)。1984年には会計士事務所の1セクション2名で行っていたものが、1987年には33名規模に。MBOにより独立した後、急成長を果たした。 |
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2001年にはBlackburn with Darwn 区から幅広い分野の業務を一括して受託し、後に大規模アウトソーシング案件を受注し成長。単なる業務代行に留まらず、ITを活用することで付加価値を高めているのがCapita Groupの特徴である。 |
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全英最大手のサポートサービス企業は、国防と交通分野に強いSerco Group(売上高約5,000億円)。近年はコンサルティング部門の人員を増やしているほか、IT部門増強のためIT関連企業2社を買収。 |
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軍関連施設や交通インフラの運営管理を得意とするが、エンジニアリング関連のノウハウをもとに、刑務所やレジャー施設の運営、病院や官公庁施設のファシリティマネジメントなどの箱モノ運営も数多く手がけている。 |
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| 【日本におけるパブリックサポートサービスの先進事例】 |
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えりも町(北海道):臨時職員の業務を大新東株式会社に一括アウトソーシング。大新東株式会社は町一番の企業へ(2004年4月〜)。 |
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町は臨時職員80名を大新東に移籍。職員は一部の有資格者を除きすべてが地元採用。 |
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板橋区(東京):株式会社コナミスポーツ&ライフが板橋区の体育施設25施設を包括的に管理運営。 |
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区直営時代の年間経費(人件費含む)約10億円 → 経費削減効果 約1.8億円/年 |
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太田市(群馬):株式会社明電舎などの民間事業者に水道業を包括して業務委託(2007年〜)。 |
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全国:株式会社図書流通センターは1,600名のスタッフを有し、全国102図書館をサービス。 |
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指定管理制度を活用した包括的サービスを実施。館長人材の育成にも注力しており、2006年には筑波大学大学院に「図書館経営管理コース」を寄付講座として開講している。 |
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| 【2012年度におけるパブリックサービス市場規模】 |
| 民間企業にアウトソーシングが望まれるパブリックサービスを“施設サービス”“事務サービス”“事業サービス”の3つに区分。現状の施設数と自治体アンケートの結果をもとに、自治体規模別事業形態別将来施設数を推計。かつ既存事例から求めた維持管理費を乗じて、2012年度までの市場規模を予測した。 |
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施設サービス:2007年度2.4兆円 → 2012年度2.8兆円 |
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地方自治体公共施設の管理運営サービス: |
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教育・文化施設:文化会館・市民ホール、博物館・美術館、幼稚園、図書館、スポーツセンター |
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福祉施設:保育所、福祉センター、養護老人ホーム、デイサービスセンター |
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産業・観光・保養施設:道の駅・物産施設、温浴施設、宿泊施設 |
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環境衛生施設:ゴミ処理施設 |
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事務サービス: 2007年度1.3兆円 → 2012年度1.5兆円 |
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地方自治体の事務事業をサポートするサービス: |
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市民サービス:窓口サービス(窓口・電話)、ゴミ収集・リサイクル、学校給食、学校教務・事務、公営住宅、広報 |
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バックオフィスサービス:総務事務、庁舎管理(清掃・警備)、公用車管理・コミュニティバス、IT(情報システムの維持・保守)、税金徴収 |
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社会インフラ管理サービス:道路維持補修、公園維持管理 |
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事業サービス:2007年度9,000億円 → 2012年度1.1兆円 |
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公営企業として運営されているサービス |
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水道、下水道、工業用水、バス、地下鉄、病院、有料道路、駐車場、電気、ガス |
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日本のパブリックサポートサービス市場は、2012年度は5.4兆円規模に拡大するとともに、民間企業の受託シェアが大きく拡大するものとみられる。
ただし、現在は4.6兆円市場(2007年度)ではあるものの、例えば指定管理制度でも株式会社・有限会社が受託した件数割合は11%に過ぎず、外郭団体・公共的団体が主な受け皿となっている。また、各部局にて分割発注する傾向にある。 |
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5.4兆円市場 = 現在の人材派遣業(54,189億円)に匹敵する規模。 |
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| 【パブリックサポートサービス市場拡大の背景】 |
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構造改革・規制緩和・地方自治体の行革本格化。 |
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地方公共団体財政健全化法による早期是正措置の実施。 |
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地方自治体財政健全化法により、外郭団体の抜本処理が加速化。 |
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指定管理者の拡大と新規民間市場の誕生。 |
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公共施設の新設についてPFI(Private Finance Initiative)が拡大。累計事業費は2兆円規模に。 |
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地方公営企業の民間への事業譲渡も拡大。 |
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地方自治体の行政改革、市町村合併、団塊世代の職員の大量退職が始まったため、公務員数が減少。 |
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公務員数は2006年4月現在で約300万人。対前年で4.3万人の純減で、1975年以来過去最大の純減となった。 |
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| 【注目分野と注目企業】 |
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早期に得意分野での時歩を固めることが事業拡大の秘訣であり、企業の宣伝効果もあると考えられる。 |
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| ▼施設サービス |
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文化会館・市民ホール(2012年度市場規模推計6,500億円):サントリーパブリシティサービス、共立グループ、パシフィックアートセンターなど |
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博物館・美術館(2012年度市場規模推計4,700億円):乃村工藝社、トータルメディア開発研究所、丹青社など |
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図書館(2012年度市場規模推計1,000億円):図書館流通センター、リブネット、大新東など |
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スポーツセンター(2012年度市場規模推計3,800億円):コナミスポーツ&ライフ、セントラルスポーツ、日本体育施設運営など |
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保育所(2012年度市場規模推計3,800億円):コンビ、ピジョン、ベネッセコーポレーションなど |
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| ▼事務サービス |
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学校給食(2012年度市場規模推計1,800億円):シダックスフードサービス、大新東、東洋食品など |
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道路維持補修(2012年度市場規模推計3,100億円):建設関連企業(これまでは地元企業が多く受注) |
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| ▼事業サービス |
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上水道(2012年度市場規模推計2,100億円):ジャパンウォーター、ヴェオリア、ジェイ・チームなど |
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病院(2012年度市場規模推計4,000〜6,000億円):医療法人 |
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| 【市場拡大のために必要な政策課題】 |
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企業の参入意識は高いものの、現状には大きな不満を抱いているとみられる。 |
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NRIが実施した『自治体アウトソーシングに関する民間企業アンケート調査』 (平成19年11月)によると、約66%の企業が成長性の高い市場だと回答。成長性は高くないが拡大したい市場であると回答した企業は約32%であった。また、現状の自治体アウトソーシングの課題として、費用面のインセンティブのなさ・1件あたりのアウトソーシング金額の低さ・創意工夫の自由度の少なさ・リスク分担の取り決めの甘さなどが挙がった。 |
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アウトソーシング実行の各段階において、行政と民間双方の理解を深める「共通言語:ガイドライン」が必要とされている。 |
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健全な行政サービスアウトソーシング市場の形成のためには、段階的に包括化を進めていくことが重要であり、それにより新しい成長企業の創出等の効果が生まれる。 |
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業界としての結束を高めるとともに、対話型の契約プロセスの設計、包括化の推進、規制改革も必要。 |
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