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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

ワーキングプア Working Poor

働いても生活保護水準以下の収入しか得られない低所得者層のこと。社会的な構造により生み出される「新たな貧困層」。

 政府による公式な定義はありませんが、一般的な生活保護支給額が年間150万〜250万円程度のため、おおよそ年収200万円以下がワーキングプアと呼ばれています。

増加するワーキングプア
 国税庁「民間給与実態統計調査結果」によると、年間収入が200万円以下の男性は、2002年の6.9%(193万人)から、2006年には9.6%(263万人)にまで増加しています。
 このような「新たな貧困層」は本人が怠惰なために貧困にあえぐという自己責任の範疇ではなく、社会的な構造により生み出されているといわれています。その大きな要因の1つとしては、非正規雇用の拡大が背景にあるといえます。
 1990年代後半の不況において、日本企業の多くは人件費削減のため、正規雇用者の採用を抑え、雇用調整の可能な非正規雇用者の採用を拡大してきました。総務省の「労働力調査」によると、雇用形態別雇用者数のうち、正規雇用者数は2002〜06年にかけて78万人減少し3411万人となり、非正規雇用者数は同期間に262万人増加して1677万人に達しています。近年はグローバル化によるコスト削減のため海外に生産拠点が移転するなど、非正規雇用者の就業環境はますます厳しい状況にあります。

企業への罰則と要請
 低所得者層の増加に対する政策としては、最低賃金の引き上げ、企業における雇用条件の見直し・キャリアアップ支援等があります。
 最低賃金法の改正(2007年)において、「生活保護に係る施策との整合性に配慮する」「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう」との文言が加えられ、企業への罰則もより厳しくなっています。
 また、2004年に改正労働者派遣法によって一定期間以上派遣労働者を使用した場合、直接雇用契約を申し込むことが義務づけられました。また、2008年には短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律が改正され、非正規雇用から正規雇用への転換機会を整備したり、スキルアップの機会を正規雇用者と同様に設けること等を企業に要請しています。(島村友紀)


(書籍発行:2008年4月)
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