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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

ホワイトカラー・エグゼンプション White Collar Exemption

ホワイトカラー労働者に対する労働時間規制の適用を除外すること。欧米諸国では導入されているが、日本では導入の是非を巡る議論が続けられている。

 ホワイトカラー・エグゼンプションは、2005年6月に日本経済団体連合会(経団連)により提言が行われた、労働時間規制の適用除外を可能にする制度です。
 これまでの労働者保護の大きな柱である労働時間規制を除外可能にする制度のため、導入の是非を巡った議論が続けられています。
 現在、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスでは導入されていますが、日本ではまだ導入されていません。

導入が提言された背景
 本制度の導入が提言された背景には、産業構造の変化により、労働時間と成果が比例しない業務に従事する労働者の増加があげられます。
 労働時間と成果が比例しない業務では、短時間で同じ成果を上げた社員に対する報酬が少なくなるため、不公平感が生じつつあります。また、企業にとっても、達成すべき成果と労働時間が比例しないため、人員配置を計画することがより難しくなっています。
 また、そのような産業構造の変化により、より短時間で成果を上げ、自由な働き方の実現を目指す労働者も見られるようになりました。
 現在、業務の遂行に裁量を持っている労働者に対しては、裁量労働制を適用することが可能ですが、それでも労働時間の規制は残っており、完全に自由な働き方を実現することはできません。
 このような背景から、賃金計算のための労働時間の規制を除外する制度が提言されるようになりました。

労働時間以外も考慮した制度設計が必要
 現在の議論では、労働時間規制の適用除外の是非のみが議論されていますが、本来は規制の適用除外だけではなく、労働者保護などの観点も踏まえた制度設計が必要です。
 例えば、労働時間規制の本来の趣旨である「労働者保護」の観点から、業務のための拘束時間の規制は引き続き必要であり、その規制も合わせて導入する必要があります。
 また、労働時間に代わる、納得性の高い評価の仕組みが整備・運用されていない状況では、成果に対する報酬が十分に支払われず、不公平感を増す結果ともなりかねません。(野上大介)


(書籍発行:2008年4月)
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