ベンチャーキャピタル Venture Capital
成長可能性のあるベンチャー・ビジネスなどに投資を行う事業体(会社)と、そのための資金そのもの。
ベンチャーキャピタル会社とコーポレート・ベンチャーキャピタルの2つを取り上げます。
ベンチャーキャピタル(VC)会社
VC会社は、投資先企業に社外取締役を送り込んで経営に関与し、専門的知見と人的ネットワークを駆使した、きめ細かな支援を行うことで、企業の成長を促す役割を担っています。また、こうした専門家がベンチャーキャピタリストです。
通常、VC会社または個人のベンチャーキャピタリストは、外部の投資家から資金を調達し、ファンド(投資事業組合)を組成します。ファンドは10年程度かけて徐々に投資を行い、株式公開等によって資金を回収します。VC会社は、業務執行組合員としてファンドの運営責任を負い、ファンド総額の3%程度を年間管理報酬として、リターン総額の25%程度を成功報酬として受け取ります。
コーポレート・ベンチャーキャピタル
社内ベンチャーや社外ベンチャー企業に資金、技術、販売ルートなどを提供する大企業の専門部署や子会社を、コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)と呼びます。VC会社がキャピタルゲインを追求するのに対し、CVCでは企業本体の長期戦略に基づき、本体のイノベーション促進や、本業に生かせる外部資源の発掘などを主な目的とすることが多いようです。
例えば、CVCは親会社の研究所および事業部門から持ち込まれるアイデアを評価し、市場価値のあるものに出資します。これにより設立された社内ベンチャーの一定の持ち分をアイデアの発案者にインセンティブとして与え、アイデアの事業化を推進し、創造性を重んじる社風を醸成しています。また、多くのCVCでは、自社の事業戦略に適合する外部のベンチャー企業に資金等を提供しています。その目的は、自社と補完・代替関係にある新しい技術と市場の発掘にあります。
CVCの効果を十分に発揮するためには、競合の視点や顧客の視点に立った投資判断が求められることから、社外専門家を入れたチーム編成など、運営方法に工夫が必要です。(大森寛文)
(書籍発行:2008年4月) |