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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

バリュー・アット・リスク Value at Risk

現在保有している資産を一定期間保有すると、ある一定の確率の範囲内で、絶対金額としてどの程度損失する可能性があるかを統計的に測定したもの。

 バリュー・アット・リスク(VaR)は、市場リスクを統計的手法で測定したリスク管理指標です。現在保有している資産が「一定の期間において、一定の信頼区間のもと、市場が平常の状況にある場合に想定される最大損失額を想定したもの」(『バリュー・アット・リスクのすべて』)であり、金額で表示されます。

リスク管理の重要性の高まり
 企業は、事業活動を行う上で、様々なリスクにさらされています。経営リスク、戦略リスク、環境リスク、金融リスクなど多種多様な不確実性が存在しています。中でも金融リスクは、市場で起こりうる損失と関係するもので、最近はデリバティブ市場の発展などにより金融リスクは高まっています。
 実際、過去を振り返れば、いくつもの企業が、市場で多額の損失を被ってきました。多くの場合、リスクがどの程度であるのか、定量的に把握されてこなかったことが理由としてあげられます。この問題に対応するために、市場リスクの管理手段としてVaRが注目され、1990年代初頭から欧米の金融機関で使用され始め、世界的に広がっていきました。
 現在では、わが国でも、金融機関のみならず、事業会社の財務部門や保険会社などで活用されています。自社の競争優位性を確保するために、こうしたリスク管理を積極的に活用する企業が増えてきています。

経営判断につながるリスクの定量化
 例えば、あるポートフォリオの保有期間1日のVaRが、99%の信頼区間で4500万円である、という言い方をします。これは、市場が平常の状態であれば、4500万円以上の損失を被る可能性は、100分の1ということになります。VaRは金額で表されますから、不利益を被る可能性に加えて、その絶対額を把握することで、リスク量として問題があるかどうか判断できます。
 問題があると判断された場合は、資産構成を見直したり、自己資本を増強したりするなど、リスク低減につながる打ち手を講ずることができます。このようにVaRを活用することで、リスク管理能力を高め、企業経営に役立てることができます。(安藤達裕)


(書籍発行:2008年4月)
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