ユーティリティビジネス Utility Business
インフラ関連の総合的なビジネス。欧米では世界的な規模で展開する大企業へと成長し、わが国でも規制緩和を背景に相互参入が進展している。
ユーティリティビジネスとは、電力、ガス、水道、廃棄物処理等といったインフラに関わるビジネスのことで、それらの総称です。
進むマルチユーティリティ化
欧米では、電力、ガス、水道、廃棄物処理などの事業を1つの事業会社が行うマルチユーティリティ化が進展しています。例えば、電力やガス事業であれば、エンドユーザーがほぼ同一であるため、統合すれば、より効率的な事業運営が可能となるケースが多くあります。
マルチユーティリティ化した企業としては、フランスのヴェオリア・エンバイロメントやスエズなどが有名です。
ヴェオリア・エンバイロメントは、水道事業を筆頭に、廃棄物処理、エネルギー供給、交通サービスを一元的に提供している民間企業です。また、世界的規模で展開しており、フランスを中心に欧州全般、北米および一部のアジア、中東、アフリカ地域にも進出してきています。売上高は約4兆円を超え、従業員数は約30万人と大企業であり、CAC40(ユーロネクスト・パリに上場された株式のうち時価総額で上位40銘柄による株価指数)の採用銘柄でもあります。マルチユーティリティ化しながら、事業規模を拡大し、海外展開を図ることで、世界的な企業へと成長してきています。
規制緩和による相互参入の進展
わが国では、これまで電力やガス等は個別事業法の制約によって、相互参入は難しい状況にありました。しかし、1995年以降、電気事業法が改正され、卸電力や小売電力販売の新規参入が可能となりました。また同年、ガス事業法も改正され、大口供給における自由化が始まりました。それ以降も順次改正が行われ、相互参入の余地が広がってきています。
例えば、電力会社は火力発電用の原料としてLNGを輸入しており、それを活用したガス供給を行っています。また、ガス会社も共同設立した会社等を通じて卸電力や小売電力を供給しています。
これらの規制緩和の推進などを契機に、わが国でも今後はマルチユーティリティ化の動きが出てくるものと期待されます。(宇都正哲)
(書籍発行:2008年4月) |