ターンアラウンドマネージャー Turn Around Manager
経営破綻した企業、もしくは経営破綻寸前にある企業を再生する役割を担っている人。または、それを専門にする人。
ターンアラウンドマネージャー(TAM)とは、企業の再生請負人として登用された経営者を指します。
TAMの人材像
TAMの最大の使命は、企業価値を高めることにあります。そのため、財務、事業、組織などあらゆる観点から最適な戦略を構築し、それを遂行する能力が求められます。
再生企業の経営状態は、金融支援の要請や資産売却など財務的処置のみでは再生しきれないケースが多いため、事業、組織など企業経営に関わる全方位的な知見が求められます。
なお、TAMにとって最も重要であるのが、強いリーダーシップを通じた実行力です。どんなに素晴らしい戦略も実行できなければ、意味がありません。経営破綻もしくは経営破綻寸前にあるわけですから、従業員や取引先に対して厳しい選択をしていかなければならないことも珍しくありません。TAMには大きな困難や抵抗に遭遇しても企業再生を完遂する力が求められます。
企業再生の実施体制
TAMは、企業再生において重要な意思決定をしていかなければなりませんから、CEO(最高経営責任者)などの責任のある役職に就くことが一般的です。そして、多くのケースでは、TAMを中心とした企業内外の専門家からなるチームを組成して、改革を推し進めていきます。企業再生にあたっては、財務、事業、組織など幅広くかつ高度な専門性が必要となり、TAM単独では、再生戦略の構築・実行を実施していくのは困難です。
これまで日本は、米国に比べ企業再生に対する取り組みが遅れていましたが、近年では日本でも、私的整理ガイドラインの整備や、産業再生機構の活躍などが引き金となり、企業再生案件が数多く手がけられるようになってきました。そして、そのノウハウが蓄積され、企業再生における各分野のスペシャリストは増加しつつあり、企業再生を推進するための支援体制は整いつつあります。さらに、米国のようなプロの経営者をTAMとして派遣する仕組みが構築されつつあり、今後は日本でも多くのTAMの登場が期待されます。(永田寛明)
(書籍発行:2008年4月) |