トレーサビリティー Traceability
製品や産物に関する情報を、原料調達、生産、物流、販売、廃棄に至る一連のライフサイクルを遡って追跡できるようにすること。
トレーサビリティーとは、製品や産物に関する情報を、ライフサイクルを遡って追跡できるようにすることです。その概念を実用化したトレーサビリティーシステム(以下TS)は、製品、産物の品質・安全管理を図ることに役立てられています。
相次ぐ食品事件をきっかけに注目
2001年に日本でBSE(狂牛病)に感染した牛が発見され、また相次ぐ食品事故、異物混入事件、遺伝子組み換え食品問題、残留農薬問題、食品表示偽装事件などにより、「食の安全」に対する関心が急速に高まりました。
こうした中で、食品分野に応用されているのが食品TSです。食品TSによって、消費者に対して食品に関する情報を正確かつ迅速に提供し、安全性をアピールすることができるようになります。また、消費者も安心して食品を購入することができます。
不具合発生時に迅速な対応が可能
クレームによって製品出荷後に不具合が発覚した場合、部品情報や生産履歴、配送履歴などをTSにより過去に遡って分析することができます。これによって、何が原因で不具合が発生しているのかを把握しやすくなります。
また、同じ不具合を持つ製品を特定でき、それをユーザーに迅速に告知することができるため、サプライヤーはユーザーに対して安心を保証することができるようになります。
環境・リサイクルにも柔軟に対応
TSは製品の不具合対応だけでなく、環境・リサイクルの場での活躍も期待されています。
例えば、製品の部品構成の情報をもとにリサイクル時の分別を容易にすることや、製品出荷後に有害物質が含まれていることが判明した場合、対象製品を迅速に回収できるようになります。
昨今、欧州を中心に環境規制が強化されています。それにより各企業は自社のリサイクルおよび有害物質に対しての対応状況を迅速に把握する必要性が高まっています。
その意味でも今後もさらにTSの導入が増加するものと思われます。(岩間公秀)
(書籍発行:2008年4月) |