TOC(制約条件理論) Theory of Constraints
企業活動のパフォーマンスは、プロセスのボトルネックのパフォーマンスに依存しており、その改善が重要であるとする管理理論。
TOCは、1970年代にイスラエルの物理学者ゴールドラットによって考案された生産管理理論です。
プロセスのボトルネックに着目
TOCの特徴は“各プロセスの改善の積み重ね=プロセス全体の改善”という生産管理の常識を否定し、“ボトルネック(制約条件)の改善=プロセス全体の改善”とする点です。例えば、5つの工程からなる下図のような工場があるとします。この工場では、ほとんどの工程で100個/日以上の生産能力があるのに、完成品生産量は29個/日です。これは工程(3)がボトルネックとなり、工場全体の生産性を低くとどめているためです。工程(3)が改善されない限り、問題は解決しません。
このように、プロセスの制約条件を特定し、改善することが生産性向上のために最も重要である、というのがTOCの基本的な考え方です。
TOCの実行の5ステップ
TOCでは、次の手順で進めます。(1)制約条件を特定する(ボトルネックを見つけ出す)、(2)制約条件を活用する(ボトルネックの効率を改善する)、(3)制約条件に従属させる(ボトルネック以外の工程を、ボトルネックの効率が最大化するよう改善する)、(4)制約条件を強化する(設備の増強等でボトルネックの処理能力を強化する)、(5)再度、制約条件を特定する(さらなる生産性向上のボトルネックを特定する)。
TOCの制約条件に着目してプロセス全体を最適化するという手法は、企業活動のすべてに適用することができる考え方です。現在では米国を中心に、TOCは単なる生産管理理論としてではなく、戦略決定、マーケティング、プロジェクト管理等、企業活動における多様な問題を解決するための思考プロセスとして認知が進んでいます。(西村聡司)
| 工場におけるボトルネック |
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(書籍発行:2008年4月) |