チーム・ビルディング Team Building
チーム・ビルディングとは、個々人の単純な総和以上の成果を出す組織(チーム)を開発するマネジメント手法のこと。
かつて日本企業の強みは、組織力であるといわれました。終身雇用や年功序列、公私を超えた手厚い福利厚生といった「組織の閉鎖性を維持する制度・慣習」があったため、組織内での自立、相互理解、共通の価値観などが自然に培われたからです。
制度・慣習に依存しない組織力強化
しかし、今日これらの制度・慣習は事実上崩壊し、組織の閉鎖性は維持できなくなりました。さらに業務のIT化、成果主義導入などの環境変化を受けて、日本企業の組織力は弱体化しています。
あえて組織の閉鎖性を取り戻す制度を復活させる動きもありますが、所得水準が向上し、人材の流動化や情報化が進んだ社会において、組織の閉鎖性によって組織力を高めるアプローチには限界があります。
「制度・慣習」に依存しない、組織力強化の「手法」として、「チーム・ビルディング」というマネジメントが注目されるようになりました。
「達成」志向か?「成長」志向か?
チーム・ビルディングには、組織が求める成果によって、大きく2つのマネジメント手法があります。「達成」志向型と「成長」志向型です。
「達成」志向型のチーム・ビルディングとは、ある目標を達成するために、能力を持つ個人が相互の役割を理解し、協力関係を構築する手法です。
具体的には、個々人のスキルの棚卸しや、目標達成に向けてのタスクの全体像の提示など「役割分担の見える化」を行います。
一方、「成長」志向型のチーム・ビルディングとは、個々人が成長するために、自立した個人が互いに学び、認め合う信頼関係を構築することです。
こちらは、閉鎖的な組織では自然に行われてきたことですが、個々人の体験の棚卸しや、理想像に関する対話促進、共通体験の場づくりなど「価値観の見える化」を行います。開放的な組織では、意識的に行う必要があります。
実際、組織が持続的成長を実現するためには「達成」と「成長」の両面が求められますが、どちらの問題意識が強いのかによって、取るべき手法がまったく異なることに注意が必要です。(松田真一)
(書籍発行:2008年4月) |