Job Wage/Performance-based Wage
社員が従事する仕事の内容や職務の価値で決定する給与と、能力など社員個人の属性で決める給与。
職務給は、社員が従事する職務(ポスト)によって賃金を決定する方法で、米国で普及しました。職能給は、職務に従事する社員の能力によって賃金を決定する方法です。
年功序列的な運用に陥った職能給
職務給は、社内のすべての職務について、その価値、難易度、就労条件などを測定し(職務分析)、その結果に基づいて定められた職務の序列(職務評価)を反映して決定されます。職務ごとに賃金があらかじめ決まり、そこに社員が当てはめられるわけです。したがって、同じ仕事は誰がやっても同じ賃金となります。また基本的に定期昇給という概念がなく、同じ仕事をしている間は賃金の上昇はありません。
日本では高度経済成長期以降、職能給が広く用いられてきました。
職能給では、個人の属性、特に能力によって賃金を決定します。社員の能力は向上するという前提の下で、社員に様々な職務を経験させやすいという特徴があります。一方、能力評価が適切に行われない場合、年齢を重ねると能力が高まるという前提は、年功序列的な運用につながります。社員の高齢化に伴い、職務内容に比べて高い賃金の社員が増えたことが、日本企業の人件費が増大する要因の1つといわれました。
多面的評価に基づく給与へ
2000年頃から、個人の働きに見合った給与とするために、職能給の見直しが多くの企業で行われました。給与を決定する要素を、評価しにくい能力から、より評価しやすい成果に置き換えようというのが、成果主義です。職務を通じた具体的な成果に基づき、給与を決定する考え方です。職務給の考え方が取り入れられた例もあります。
こうした改革により年功的運用がなくなった反面、個人の職務成果にこだわるあまり、チームワークや後輩の育成が疎かになったり、新しい仕事の開拓よりも目先の成果の追求が重視されすぎるなどの弊害も指摘されています。
日本企業では、純粋な職務給・職能給から、職務を通じた短期の成果と同時に、能力向上を通じた中長期の成長可能性や組織への貢献など、多面的な要素を評価して給与が決定される方向にあります。(小原一樹)
(書籍発行:2008年4月)