サブプライムローン Sub-prime Loan
米国において信用力の低い個人に貸し出される住宅ローンのこと。サブプライムローンの焦げ付きによる「サブプライム問題」が世界中に広がった。
サブプライムローンとは、広義には、米国において信用力の低い借り手に対して貸し出されるローンの総称です。狭義では、そのうちの住宅ローンのみを指します。一般に「サブプライム問題」という場合は後者の意味で用い、2006年末で9.6兆ドルの住宅ローン残高のうち、約13%(1.3兆ドル)をサブプライムローンが占めました。
サブプライム問題の発生経緯
サブプライムローンはここ数年大きく増加してきましたが、2006年に延滞率が上昇するに至り、借り手の信用力を上回るローン供与の破綻懸念が本格化しました。
その背景として、(1)住宅価格高騰により、住宅ローン供給者である金融機関の審査が甘くなったこと、(2)当初数年間は固定金利、あるいは返済が金利相当分に限定されるなど、借りやすい新商品を住宅ローン会社が積極販売したこと、(3)証券化を通じてリスクを移転できるため、金融機関の審査が甘くなり、それに歯止めをかける仕組みが無かったこと、があげられます。
特に、サブプライム問題を大きく、複雑にしたのが証券化です。サブプライムローンの多くは、それを裏付けとしたABS(資産担保証券)やCDO(合成債務担保証券、ABSを再証券化して組成)として世界中の金融機関やヘッジファンドなどの投資家に販売されていました。
2007年6月、ベア・スターンズが経営破綻した傘下のヘッジファンドに救済融資を発表したことが大きな契機となり、翌7月には格付け会社がサブプライムローンを担保とした証券化商品を一斉に格下げしたことから、以後サブプライム問題は米国だけでなく、欧州・日本など世界中に広がりました。
金融市場への影響と今後の展望
サブプライムローン関連の証券化商品の格下げと価格下落を契機に、信用収縮が発生しました。FRBの政策金利引き下げおよび資金供給によって、短期的な危機は回避したものの、中長期的な回復には、(1)損失・リスクの規模と所在が明確になること、(2)証券化商品の格付け・評価に対する信認を取り戻すことが必要であり、当面時間がかかりそうです。(山崎大輔)
(書籍発行:2008年4月) |