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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

証券化/流動化 Securitization/Liquidation

保有資産を転売することで資金調達する方法。「証券化」が有価証券の発行を伴うのに対し、「流動化」では有価証券の発行を伴わない場合もある。

 企業が負債性の資金調達を行う際に、保有資産を売却することで資金を調達できる場合があります。例えば、企業規模が小さく、多額の資金調達では不利な企業であっても、仮に、100年前から都心に本社を保有し、それが非常に価値の高い立地および建物だったとしたら、その本社を利用できます。

資産を活用した資金調達
 本社の不動産としての価値は、この企業が調達したい金額と同程度の規模だったとしましょう。このとき、この本社の土地と建物を第三者に売却することで、資金調達ができます。これが「流動化」です。その上で、本社を移転したくない場合には、その売却先から改めて本社を賃貸借(リースバック)することで、本社移転をする必要もなくなります。
 さらに、本社を売却する先を、一般的な不動産会社などではなく、この企業の資金調達のために特別に組成された特別目的会社にし、その特別目的会社が、本社買取りに必要な資金を、債券や株式などの証券発行の形で調達することがあります。これは、最終的に証券発行を伴うため「証券化」といいます。

証券化の課題
 証券化はここ数年、日本でも急速に広まりつつありますが、課題もあります。最近話題となった「米国のサブプライムローン問題」も、証券化の普及がもたらしたものです。金融機関が、信用リスクの低い人々に対して住宅ローンを貸し付け、その住宅ローンを束ねて裏づけ資産として債券を発行し、投資家に転売してきたのですが、住宅ローンの返済が滞ったために、債券がデフォルトし始めました。
 その過程で、大きく2つの疑問が示されています。1つは、当初つけられていた信用格付が、一般の社債などと比較して甘かったのではないかと疑われています。信用格付機関にとって、証券化商品は、多額の格付費用を支払ってくれるよい顧客だったことが裏目になったのではないかという疑問です。もう1つは、住宅ローンを貸し付ける金融機関が、当初から証券化のための転売を予定していて、審査を甘くしていたのではないかという疑問です。(荻本洋子)


(書籍発行:2008年4月)
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