リアルオプション Real Option
投資の意思決定に際して、「待ってから投資する」「撤退する」などの経営の選択権を価値として捉えること。
リアルオプション(Real Option)とは、金融工学のオプション理論を実物資産やプロジェクトの評価に適用した考え方で、不確実性の高い事業環境下での投資における、経営の持つ選択権を意味します。投資の意思決定にあたり、その選択権の価値も含めて判断を行います。
意思決定の選択権を定量評価
従来の投資判断方法では、投資したら後戻りできないことが大前提でした。しかし、実際の投資局面においては、環境がより明らかになった時点で「工場を増設する」とか「プロジェクトを中止する」といった、プロジェクトが持つ意思決定のオプション(選択権)があります。そのオプションを価値として定量評価しようとするのがリアルオプションです。
例えば、基礎技術の研究開発プロジェクトの場合、将来のリスクが大きすぎて、従来の投資判断方法の1つであるNPV(正味現在価値)法で計算すると多くの場合マイナスになります。しかし、リアルオプションも加味して評価すると、将来の投資機会に対するオプションの要素も評価されるためプラス値になり、投資すべきだという判断になることがあります。
このような戦略投資におけるオプションとしては、下表のような種類があげられます。
複雑でわかりづらいのが難点
ただし、この手法も、金融理論の実務面への適用の困難さや、複雑な数理計算をともなうために、経営者の理解を得がたいという課題があります。しかし、複数の戦略シナリオの価値を数値化することで、不透明な将来に対する価値の社内共有や投資判断、リスクヘッジ、そして取引条件の設定に資することが可能になります。(正岡幸伸)
| オプションの種類 |
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(書籍発行:2008年4月) |