プロジェクト・ファイナンス Project Finance
プロジェクトが生み出すキャッシュフローに返済原資を限定するファイナンス。担保もプロジェクトの資産に限定される。
特定のプロジェクトを対象としたファイナンスで、利払いや返済の原資が、当該プロジェクトから生み出されるキャッシュフローに限定され、担保も当該プロジェクトの資産に限定されるものです。
1930年代に米国で導入された手法で、石油・ガス等の資源開発案件に始まり、発電所、鉄道、空港等に広がりを見せ、海外では一般的な金融手法となっています。一方、担保金融の側面が強い日本では、1999年のPFI法制定以降に件数が増え、脚光を浴びています。
大型プロジェクト限定
プロジェクト・ファイナンスは、スポンサー(借手)にとってはリスク分散、オフバランス、資金調達の拡大、レバレッジ効果の享受などのメリットがあり、レンダー(貸手)にとってはリスクの特定・明確化、リスクに合った高い収益性の享受などのメリットがあります。その反面、借手にとっては経営面で制約を受け、貸手にとっては返済原資の制約によるリスクを負うなどのデメリットがあります。
プロジェクト・ファイナンスは、プロジェクトの内容やリスクに合わせて仕組みをつくり上げるハンドメイドの商品であり、膨大な時間と費用がかかります。このため、プロジェクト・ファイナスは大型プロジェクトに限定される特徴があります。
純粋なノン・リコースは稀
プロジェクト・ファイナンスは、原則として「ノン・リコース」です。
しかし、スポンサーが当該事業に精通していることも多いため、借手から貸手によるサポートを求められることが多々あります。
サポート内容は、対象事業や貸手と借手の力関係により様々ですが、想定外のリスクが顕在化し、借手が責任を負えない場合などに、貸手に責任が課せられるケースがあります。
このように限定的ではあるものの、何らかの責任や義務がスポンサーに課せられるファイナンスを「リミテッド・リコース」と呼びます。プロジェクト・ファイナンスの大半は、「リミテッド・リコース」であり、純粋な「ノン・リコース」は稀です。(渡會竜司)
(書籍発行:2008年4月) |