パテントポートフォリオ Patent Portfolio
自社の事業分野の自由度を確保し、訴訟リスクの回避や競争優位を目的として、意図的に関連した技術分野で取得した特許群のこと。
パテントポートフォリオとは、企業が戦略的に取得した特許群のことで、1980年代の特許重視(プロパテント)の流れの中で米国企業によって考え出され、日本では1990年代後半のプロパテント政策により各企業で導入が進みました。
通常、単独に取得された特許では、他社によって容易に回避されてしまい、競合他社と比べて事業そのものの優位性を保つことは困難です。網羅的な特許を取得し、パテントポートフォリオを構築することが事業の優位性を築く上で重要な特許戦略となっています。
“塊”で効果を発揮する特許
例えば、革新的な技術開発をした企業が、技術の核となる特許だけを取得していたとします。すると競合他社は、代替技術の開発を行い、特許を無効化するばかりか、事業化の際に必要となる製法特許や製品の周辺機器の特許などの取得へと対抗手段を講じます。そのため、せっかく革新的な開発をしたにもかかわらず、事業化自体が困難となってしまう事態も考えられます。
特許が真に効力を発揮するためには、事業の範囲全体まで広げ、代替技術までを潰した網羅的な特許を取得することが必要となります。
このような網羅的な特許網を構築したパテントポートフォリオを築くことによって初めて、その企業は競合他社と比べて独占的な事業を行うことができ、競争優位を築くことが可能となります。
パテントポートフォリオの活用
パテントポートフォリオを図式化したパテントマップによって、競合他社と自社の技術を比較した強みと弱みを視覚的に捉えることが可能となり、現在保有している特許をライセンスや訴訟などに活用し、有効利用を図ることができます。
また、自社の強みと弱みを客観的に捉えることで、自社が行うべき研究開発テーマの示唆を得ることが可能となます。このように、パテントポートフォリオを起点とした研究開発を推進して得られる発明によって、再度パテントポートフォリオが強化され、企業の研究開発活動において競合他社よりも競争優位を築くための好循環を生み出すことが期待できます。(加福秀亙)
(書籍発行:2008年4月) |