NRI 未来創発
 
野村総合研究所
TOP サイトマップ English
 
経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

One to Oneマーケティング One to One Marketing

個々の顧客との関係を管理し、それを維持・深耕するというマーケティングの考え方。売り手と買い手の1対1のマーケティング。

 One to Oneマーケティングとは、「売り手1対買い手1のマーケティング」を意味し、企業が個々の顧客の嗜好や興味を分析し、それに合わせた提案を行うことで、取引を深耕していくという考え方です。

マーケティングの考え方の変遷
 伝統的なマーケティングは「マス・マーケティング」と呼ばれ、多数の一様なニーズを持った顧客が存在する市場を想定していました。「一億総中流」といわれていた以前の日本では、適合性の高い手法であったと考えられます。
 しかし、顧客ニーズの多様性が求められるようになって以降は、顧客との関係性を重視した「リレーションシップ・マーケティング」が注目を集めるようになりました。リレーションシップ・マーケティングは、それぞれの顧客ニーズに応じてカスタマイズした商品、価格、販売方法を提供するという考え方をとります。
 「One to Oneマーケティング」は、このリレーションシップ・マーケティングの考え方の1つであり、個々の顧客との関係を維持・管理するという、最もきめ細かい対応をするものとして位置づけられます。
 amazon.comをはじめとしたインターネット販売での事例が注目されがちですが、パナソニックの「ナショナルショップ」のような店舗販売など、他の販売方法においても成立しうる考え方であるといえます。

実行上の留意点
 One to Oneマーケティングを実行する際には、「ライフタイムバリュー(LTV)」と「顧客への配慮」への留意が必要です。
 ライフタイムバリューとは、顧客が企業にもたらしてくれる将来にわたっての期待収益を意味します。これが十分に大きい顧客に選択的に適用することで、はじめて企業の利益増大に寄与することが期待できます。
 また、顧客が望まないのに、きめ細かな対応をしてしまわないように、顧客にあらかじめ「どのような情報なら進んで提供してくれるのか」「どのような情報なら受けてもよいか」を尋ねる「パーミッション・マーケティング」という手法が有効です。(倉林貴之)


(書籍発行:2008年4月)
page top