MBO Management Buyout
企業の経営者や従業員が、自社あるいは自社の事業を買収すること。株主にとって不利益が生じやすく、公正な取引が求められる。
MBOとは、企業に属する経営者またはその他の従業員が、自己資金もしくは他の投資家の資金で、自分が属する企業や事業を買収することを指します。
MBOの形態は、(1)経営者以外の社員が、オーナー経営者から事業を買収するパターン、(2)経営者が、別法人を通じて自身が所属する企業を買収するパターンが専らです。(1)のパターンは、いわゆる「のれん分け」に近い概念となります。
様々なMBOの目的
MBOの目的は、関わる主体の立場によって異なります。株式を売却する主体(株主)にとっては、株式売却益の獲得が主な目的です。一方、株式を取得する主体の狙いは、代表権の獲得、公開企業の経営者の場合は、買収防衛などが主になります。
MBOの動向
MBOの総額は、企業の合併・買収が活発になるにつれ拡大してきていましたが、直近では減少に転じています。これは、株主がMBOに対して厳しい見方をするようになったためとみられています。
もともとMBOは、株主にとって不利益が生じやすい取引といえます。これは株式を取得する主体が、株主よりも、企業のより内部に位置していることに起因しています。すわなち、株式を取得する主体が、買収金額を抑えるために、あえて収益性を悪化させて株価を下げたり、買収理由が実際には正当でなかったとしても、買収される主体はその事実を把握できない可能性があるためです。実際、上述(2)のパターンのMBOにおいて、株式を取得する主体と少数株主との間のトラブルが訴訟に発展するケースが散見されます。
経済産業省の私的研究機関である「企業価値研究会」は、2007年8月に「経営者による企業買収に関する報告書」をとりまとめ、買収価格の妥当性を検討する第三者評価機関を設置すること、取引までに十分な検討期間を設けることなどを旨とするガイドラインを提示しました。最近のMBOでは、上記ガイドラインに沿う形で、株主に対する配慮をするケースが出てきています。今後、MBOが再び活発化するかどうかは、公正な取引が行われるか否かにかかっているといえます。(大野隆文)
(書籍発行:2008年4月) |