市場化テスト Market Test
公共サービスの提供主体を官民で競わせることで、効果的・効率的なサービスの実現を目指す制度。
市場化テストは、「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」により、2006年から制度化された行政改革の仕組みです。別名、「官民競争入札」と呼ばれています。
官民で公共サービスの提供を競う
市場化テストの源流は、欧米での取り組みにあります。米国には、ある公共サービスと類似のサービスを提供している民間企業が存在した場合、そのサービスの実施について、必ず官民で競争入札を行うという仕組みがあります。英国では、強制競争入札の名で、自治体の現業から内部事務まで幅広い業務が入札の対象となりました。いずれも、公共サービスの提供を官民の競争下に置くことで、よりよいサービスの提供を目指した点で共通しています。
同様に、日本の市場化テストについても、官民が対等の立場で競争入札に参加することで、民間企業の創意工夫を活かした公共サービスの質の向上や、国や自治体の財政再建に寄与する経費削減を図ることを主な目的としています。
これまでの実績としては、国では、ハローワークの関連業務などが市場化テストの対象となり、民間企業が受託しています。自治体では、窓口業務や研修業務を対象とする例が複数あります。我孫子市など一部の自治体では、すべてのサービスを市場化テストの対象とする意欲的な取り組みが行われています。
課題が多い実施方法
しかし、市場化テストの成果は未だ限定的です。国では、民間事業者が、期待されるパフォーマンスを果たせない事例や、自治体では、対象事業に応募がほとんどないという事例が複数見られます。
その理由としては、市場化テストの導入審査がサービスの質よりも価格を重視する傾向にあるため、応募企業が集まりにくいことや、部分的な業務の発注に留まるため、民間が提案する中で、創意工夫する余地がない点などがあげられます。
今後は、サービスの質を価格とともに重視した入札を基本とすることや、対象業務を可能な限り包括的に選定(包括アウトソーシング)して民間の創意工夫を呼びやすくするといった工夫が求められています。(小池純司)
(書籍発行:2008年4月) |