ITS Intelligent Transport Systems
情報通信技術を活用することで、「人」「道路」「車」をネットワークで結ぶ交通システム。道路交通問題の解決を目指す。
ITS(高度道路交通システム)とは、情報通信技術を活用することで「人」「道路」「車」をネットワークで結ぶ交通システムです。交通事故や渋滞、環境汚染などの道路交通問題の解決を目指しています。
道路交通問題を解決するために情報を活用するという研究は、1970年代から国内外で行われてきました。ITS分野の商業サービスが普及してきたのは1990年代後半以降です。
VICS、ETCが代表格
ITSの具体的なシステムの事例としては、VICS(Vehicle Information and Communication System)やETC(Electronic Toll Collection System)などがあげられます。
VICSは道路上に設置されたビーコンやFM多重放送等によって配信した渋滞情報や規制情報等を、カーナビゲーションの画面に表示するシステムです。VICSユニットの出荷台数は2007年11月に累計で2000万台を突破しました。今日では新規に販売されるカーナビのほぼすべてにVICSユニットが搭載されています。
ETCは車載器と路側インフラが通信することで、高速道路の料金所をノンストップで通過できるシステムです。2007年11月末時点で、ETCのセットアップ件数は2031万台を超えました。今日では、全国の高速道路の料金所を通過する自動車の70%以上がETCを利用しており、料金所の渋滞解消に役立っています。
ITSを支える技術には、位置情報を検出するGPS(Global Positioning System)、カーナビに道路を表示する電子道路地図、人と道路と車を結ぶ通信技術などがあります。ITSの発展には、GPSや電子道路地図の精度の向上、通信の安定や速度向上などが求められます。
今後は安全性や環境が重要
IT戦略本部(本部長:内閣総理大臣)は2006年1月にIT新改革戦略を発表し、「世界一安全な道路交通社会」の実現のためにITSの実用化を進めると述べました。現在では交通事故対策のためにITSを活用する実証実験が全国で行われています。
また、物流の効率化や交通量の低減を進めることで、環境負荷を減らすための取り組みも始まっています。(大沼健太郎)
(書籍発行:2008年4月) |