イスラム金融 Islamic Finance
イスラム金融とは、イスラム教の教義に準拠した金融手法や商品全般を指す。湾岸諸国だけでなく、欧州主要行も積極的に展開している。
イスラム金融とは、イスラム教の教義、とりわけイスラム法に準拠した金融手法・商品を指します。具体的には、(1)利子(リバー)の禁止、(2)豚肉・アルコール等コーランの教えに反する事業への投資の禁止などが含まれます。
イスラム諸国の成長で注目
“イスラムの教えに則った金融”という考え方は1950年代から存在していましたが、制度整備が進みイスラム諸国に普及するようになったのは、主に1990年代以降のことです。最近では、湾岸産油国の急速な成長と、「オイルマネー」の膨張に伴い、世界的に注目を集めています。
代表的なものとして「イスラム銀行」「イスラム債(スクーク)」「イスラム保険(タカフル)」などがあげられます。
一口にイスラム金融といっても、その法的な位置づけや解釈は国ごとに異なっています。例えば、比較的柔軟なマレーシアのイスラム金融商品は、厳格な湾岸諸国では不適格とされた例もあります。そのため、各国の法解釈や規制・監督、金融機関経営のあり方を検討すべく、IIFM(国際イスラム金融市場)、IFSB(イスラム金融サービス委員会)などの国際的な枠組みも立ち上げられました。
イスラム金融対応に出遅れる日本
イスラム金融の中心地は、金融機関の本拠が数多く所在し、IIFMの本部も置かれているバーレーンです。一方、IFSBの本部はクアラルンプールに置かれています。さらに最近は、ロンドンやシンガポールも、イスラム金融センターとして名乗りを上げています。
プレイヤーとしては、湾岸諸国の金融機関だけでなく、特に欧州主要行は、バーレーン、ドバイ、マレーシアを中心に積極的な展開を図っています。
日本では、国際協力銀行(JBIC)や一部の金融機関、企業が、試行的にイスラム金融を取り入れ始めたものの、まだ本格的な取り組みには至っていません。イスラム金融への対応をどう進めるかは、本邦金融機関のグローバル展開の重要な課題の1つです。(奥雄太郎)
(書籍発行:2008年4月) |