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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

インサイダー取引 Insider Trading

未公開の重要な情報を入手した内部者(インサイダー)が、公表前に有価証券等の売買等を行うこと。

 インサイダー取引とは、投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすと認められる未公開の重要な情報を入手した者、あるいはその伝達を受けた者(内部者=インサイダー)が、その重要情報が公表される前に当該会社の特定有価証券等の売買等を行うことです。
 ここで「未公開の」とは、一般の投資家が知らない状態を指し、その要件は法律で示されています。「重要な情報」とは、法令・諸規則で定められた資本金の減少や、合併、会社の分割、新製品・新技術の企業化、また決算予想値の差異の発生等も含みます。
 また、インサイダーには、上場会社の役員や従業員等の会社関係者に加え、重要情報の伝達を受けた者(情報受領者)も含まれます。

金融商品取引法に引き継がれた規制
 このようなインサイダー取引が放置されれば、証券市場の公平性、公正性、信頼性が失われ、健全な発展が阻害されることになります。
 日本での規制は、以前は米国に比べて大幅に遅れていましたが、数度にわたる証券取引法の改正に伴い強化され、その内容は平成19年9月30日に施行された金融商品取引法に引き継がれました。法令諸規則が改正されるたびに、罰則規定の導入・強化や、重要情報に該当する範囲の拡大・明確化など、規制は強化されてきました。
 しかし、経済活動がますます多様化・複雑化するなかで、法令諸規則による規制だけでインサイダー取引を防止するには限界があります。

求められる高い意識と倫理観
 そこで、今後、インサイダー取引を防止するためには、法令諸規則より厳しいレベルでの高い倫理観が、企業や個人に求められます。
 証券等の発行会社や、金融機関、報道機関等においては、意識と倫理観を高めるための教育・啓蒙活動が必要です。こうした機関の役職員は、たとえ悪意がなくても、インサイダー取引に該当すると知らずにインサイダー取引を行ってしまう可能性もあります。個人としても、高い意識と倫理観が求められます。(小宮山信)


(書籍発行:2008年4月)
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