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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

インフラ会計 Infrastructure Accounting

政府会計上でインフラに関するフロー、ストック情報を認識し、インフラの効率的な管理を実現しようとする考え方。

 インフラ会計とは、政府会計でインフラに関して将来発生する費用を前もって認識しておき、効率的な管理を実現しようとする手法を指します。

膨大な補修・更新支出が発生
 日本では戦後から現在に至るまで、道路やダムなどインフラの整備を進めてきました。インフラはつくれば終わりというものではなく、日常的なメンテナンスが必要なうえ、一定の年月が経過すれば大規模な工事が必要になります。日本は欧米に比べてインフラを集中的に整備した時期が遅かったため、これまで補修や更新はあまり問題になりませんでしたが、今後は高度経済成長期に建設したインフラが続々と耐用年数を迎え、それに伴い多額の補修・更新費用が発生すると予想されます。
 一方で、政府の財政状況が悪化する中、公共事業、特に維持管理や補修は、なぜ今それを行う必要があるのかを明確に示すことが難しいため、予算は削減される方向にあります。

アセットマネジメントの進展
 近年、学会等を中心に「アセットマネジメント」の研究が進められています。これは、インフラの劣化状況や期待されるサービス水準から、将来の最適な管理戦略を立案する手法です。アセットマネジメントを行うことで、どのタイミングでどういった工事を行えば最も効率的に維持できるかを明らかにすることができます。
 このアセットマネジメントを有効に機能させる仕組みが「インフラ会計」です。企業会計では、将来発生する費用(退職金など)を、前もって引当金として認識しておくことになっています。インフラ会計も同様で、将来発生する補修・更新費用を「インフラ引当金」のような形で前もって認識しておき、中長期の経営・財政計画に反映できるようにしよう、というものです。
 2007年8月、アセットマネジメント先進国のアメリカで落橋事故が発生しました。原因はまだ明らかにされていませんが、アセットマネジメントの結果を十分に活用できていなかったことが予想されます。インフラ会計はまだ研究段階で実用化には至っていませんが、アメリカの事故を教訓とし、検討を進めていくことが望まれます。(小林庸至)


(書籍発行:2008年4月)
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