派遣契約/請負契約 Temporary Staffing Contract/Contract of Service
派遣契約は、派遣先の指揮命令で労務を行う契約。請負契約は、仕事の完成を約束し、その結果に対して報酬を支払う契約。
派遣契約は、派遣元事業主の社員を派遣先の指揮命令で働かせることができる契約です。このとき雇用主は派遣元事業主となります。
一方、請負契約は、請負主が仕事の完成を約束し、発注主がその結果に対して報酬を支払う契約です。請負契約の場合、発注主に指揮命令権限はありません。指示命令は請負主が自社の社員に対して行います。
成長する人材派遣業界
派遣契約は、1986年に施行された労働者派遣法で認められるようになりました。以来、人件費を抑えたい企業側のニーズと、ライフスタイルに合わせた働き方ができるという派遣社員のニーズがマッチしたこともあり、人材派遣業界は急成長してきました。
制度面でも、ここ10年ほどで、派遣対象業務の緩和や派遣可能期間の延長などの規制緩和が進み、その成長に拍車をかけてきました。
労働者派遣を取り巻く問題
しかし、その陰で、派遣を巡る多くの問題が取り沙汰されています。
その1つが偽装請負です。偽装請負とは、契約上は請負契約という形を取りながら、実態は労働者派遣として発注主の指揮命令下で働かせている行為のことをいいます。
特に、労働者派遣が当初認められていなかった製造業において偽装請負が頻発しており、近年、その発覚が相次いでいます。偽装請負の場合、労働者の安全や雇用の責任の所在が曖昧となり、これが原因で労災隠しにつながった例も見られます。
また、IT業界で多く見られる2次請け先の社員を元請け企業に派遣するといった形の多重派遣も偽装請負の一種です。
派遣を巡っては、偽装請負以外でも、派遣社員の社会保険加入の非徹底やワーキングプアの増大など、社会的な問題となっており、抜本的な解決が望まれています。(長島英樹)
| 派遣契約と請負契約の仕組み |
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(書籍発行:2008年4月) |