NRI 未来創発
 
野村総合研究所
TOP サイトマップ English
 
経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

道州制 Federal System

現在の都道府県よりも広域な自治体(道州)を設置し、国から道州への権限移譲を進めること。

 道州制とは、現在の都道府県を大括りに再編し、原則として広域な自治体を置くことです。道州制の議論は戦前(1927年)からあり、1950年代にも様々な提言がなされましたが、実現に至りませんでした。最近では、2006年に道州制の導入を答申した第28次地方制度調査会前後から、政府、与野党、地方自治体、経済団体等で議論が盛り上がりを見せています。

単なる都道府県合併ではない
 現状でも都道府県の自主的な合併は法律上可能です。しかし、最近の道州制論の多くは、単に複数の都道府県を合併することだけではなく、国から道州(または市町村)へ権限移譲すること、つまり地方分権を進めることを提案しています。国の役割を小さくして、地方(道州や市町村)の役割を大きくすることが道州制の肝というわけです。
 国の役割を外交、国防、通貨、エネルギー等に限定し、警察、産業振興、インフラ管理(国道、一級河川等)、産業廃棄物対策等を道州が担い、都市計画、福祉、義務教育等を市町村が担うことを提案する議論が多く見られます。

具体的な検討はこれから
 では、道州制になると具体的には何が変わるのでしょうか。例えば、複数の県にまたがる山林や河川の管理を道州という1つの主体が担うようになり、防災上の効果が高まることが期待されます。
 現時点の議論では、道州制について理念的なものが多く、具体的なメリットや課題、あるいは道州制でなくてもできることと道州制でしかできないことの整理については、これから議論を深める必要があります。
 とりわけ、道州が国からの関与なしに創意工夫を活かして自ら政策・制度を企画、決定、管理できる権限(合わせて財源)を持てるかどうかが今後の議論の焦点の1つになるでしょう。これは、そうした地方分権のうち一部は道州制の導入を待たずに実施すべきという議論に発展する可能性もあります。
 合わせて、政府内の役割分担にとどまらず、官から民への改革を図り、行政全体をスリム化することも道州制の議論では必要な視点となります。(妹尾昌俊)


(書籍発行:2008年4月)
page top