フェアネスオピニオン Fairness Opinion
M&Aや事業・資産の譲渡、交換等を行う際に、独立した第三者が、評価額や合併比率等の妥当性についての意見表明を行うこと。
米国では以前から、経営層がM&Aや資産の譲渡、交換等の重要な意思決定を行う際の参考資料として、証券会社や投資銀行、会計事務所などの独立した第三者からフェアネスオピニオンを取得することが一般的です。日本では以前はなじみのない言葉でしたが、最近はM&A案件において、投資銀行等のアドバイザーにフェアネスオピニオンを依頼することはすでに定着してきています。
その背景として、企業がM&Aのように既存株主の利害に大きな影響を与える行為を実施する際に、経営者が善管注意義務を果たしている旨を示す必要があるということがあげられます。
フェアネスオピニオンの手続き
依頼を受けた第三者は、(1)財務情報の分析、(2)デューディリジェンスの内容検討(法務、会計、財務、ビジネス)、(3)マネジメントインタビュー実施等、様々な検討・分析を行った上で、対象案件の取引価格等に対して公正か否かの判断を行い、報告書を作成します。
報告書は、通常、依頼人である経営層の意思決定の判断材料として利用されるものであり、株主等の第三者に対する責任までは負いません。
しかし、M&A等の意思決定に株主総会決議が必要になる場合、参考資料としてフェアネスオピニオンが添付されることは多く、株主から報告書の妥当性の評価を受けます。そのため、公正か否かの判断を行う際には、慎重で適切、かつ中立的な検討・分析の実施が求められます。
フェアネスオピニオン実施の留意点
M&A案件では、M&Aアドバイザーが、評価額算定や合併比率の検討、相手企業との交渉、協議等を行いつつ、フェアネスオピニオンの意見表明も行うケースが多くあります。また、フェアネスオピニオン業務の実施者が証券会社である場合、その証券会社が、依頼主や買収相手企業のいずれか、あるいは双方と取引関係があるケースもありえます。
そのような場合には、フェアネスオピニオンの意見表明以外での案件への関与や、依頼主との取引関係・利害関係等について報告書に記載を行うことで、経営層だけでなく、株主に対しても理解を促すことが重要です。(鈴木隆之)
(書籍発行:2008年4月) |