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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

金融コングロマリット Financial Conglomerate

金融コングロマリットとは、銀行、証券、保険など複数の金融サービスを営む企業群から構成される金融グループのこと。

 金融コングロマリットは、金融持株会社の解禁(1998年)以降に生まれた、持株会社形態の金融グループを指すことが多いようです。

1990年代以降、再編が進む
 金融機関のコングロマリット化は、1990年代以降、各国の規制監督者の間で注目されるようになってきました。
 その背景として、(1)金融技術革新(デリバティブ等)により、旧来の業態間の区分が曖昧になってきたこと、(2)ITの活用によってリテール事業でのクロスセルが追求され始めたこと、(3)もともと銀行と証券との兼営が認められていた欧州を中心に、統合再編の動きが進んでいったことなどがあげられます。
 米国においては、1933年のグラス・スティーガル法のもとで銀行と証券との兼営は禁止されていましたが、1999年にグラム・リーチ・ブライリー法が成立し、金融持株会社のもとで銀行、証券、保険の相互参入が認められるようになりました。
 日本でも、金融サービスの兼営は長く認められてきませんでした。しかし、1993年に子会社による証券・銀行の相互参入が、1996年に生保・損保の相互参入が解禁され、その後1998年に金融持株会社の設立が認められたことで、日本版金融コングロマリットが誕生しました。この流れを受けて、金融庁も2005年に「金融コングロマリット監督指針」を公表しています。

金融コングロマリットの狙いと課題
 金融コングロマリットは、個人・法人顧客向けに、グループが一体となって金融商品のクロスセルを推進していく点に特徴があります。
 日本では、銀行が主体となって金融持株会社を設立し、証券会社、カード・信販会社などを傘下に置くケースが増えています。特に、拡大する個人投資家層を狙った銀行と証券の連携(銀証連携)は大きなトピックとなっています。
 しかし、グループ化によるシナジー効果が期待ほど機能しないケースも多いこと、また日本の場合、欧米の金融コングロマリットに見られるようなグローバル展開に立ち遅れていることなど、課題も指摘されています。(奥雄太郎)


(書籍発行:2008年4月)
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