債務超過 Excess of Debts
負債が資産を上回っている財務状態のこと。直接的に経営破綻を引き起こすわけではないが、信用力を大きく損なうことから、事業継続のための対策が必要。
債務超過とは、負債が資産を上回っている財務状態、すなわち資本がマイナスになっている状態を指します。
赤字と評価損が債務超過の主因
債務超過に陥る原因は、大きく分けて2つあります。
1つは経営成績が悪化し、赤字を計上することで資本が目減りする場合です。この赤字が資本を上回った場合、債務超過状態となります。
もう1つは、資産の時価評価により、評価損を計上した場合です。企業は事業活動を行うために不動産や有価証券、原材料、棚卸資産などを保有します。企業会計原則では、企業の財政状態をより正確に把握できるように、資産の時価評価を求めています。資産は市場価格や将来の収益性に基づき評価され、一定の基準で評価益・損が貸借対照表に計上されます。この際に評価損が資本を上回ると債務超過になります。
実態としての債務超過状態
企業の貸借対照表は、従来通りの事業継続を前提に作成されます。このため、事業環境や将来見通しに大幅な変化があった場合、貸借対照表を実態に合わせて再評価する必要があります。特に経営成績の悪化している企業では、将来収益の過大な見積りや不良資産の不適切な計上などを行っている場合があるため、実態として債務超過に陥っているケースもあります。
事業を停止する場合には、資産は売却・清算を前提に再評価する必要があります。一般的に、清算に伴う資産売却は売り急ぐことから価値を毀損し、評価損を計上するリスクがあり、債務超過に陥る可能性があります。
債務超過は即、経営破綻につながるわけではありません。ただし、破産原因の1つに該当し、企業の信用力を大きく毀損することから、事業活動に支障をきたす可能性があります。また、金融機関は原則として債務超過企業に投融資を行うことは難しいため、資金繰り上も厳しい状況に追い込まれることになります。
そこで企業再生を行う際は、債権放棄やDES(債務の株式化)、増減資などにより債務超過の解消を図ることが1つの課題となります。(大木隆広)
(書籍発行:2008年4月) |