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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

エンパワーメント Empowerment

現場の裁量を拡大し、自主的な意思決定を促すとともに、行動を支援すること。現場の責任感とモチベーションが高まる。

 エンパワーメントは、顧客の要望や環境変化に迅速かつ柔軟に対応するため、現場の社員の裁量を拡大するという考え方です。裁量の拡大により、現場の責任感とモチベーションが高まります。

エンパワーメントの目的
 経営層や管理職層が担う業務は複雑化、拡大化しており、管理する情報量も増大する一方です。また、現場から管理職層に報告される情報は、そのプロセスにおいて取捨選択がなされるため、現場の微細な情報を管理職層が的確に把握することが難しくなっています。
 これに対して、高度化、多様化する顧客ニーズや、急激な環境変化に迅速に対応するため、現場に近い階層の裁量を拡大し、自主的な判断で行動する状態をつくることが、エンパワーメントの目的です。
 また、エンパワーメントにより、目標達成に向けて、個人が自分の強みをより生かすことのできるアプローチを選択することができます。やらされ感ではなく、個人が自主的にPDCAサイクルを実行するため、責任感とモチベーションが高まり、結果として大きな成果を上げることにつながります。同時に、個人レベルでの学習が起こるため、社員一人ひとりの能力向上をもたらします。

エンパワーメントに必要なこと
 エンパワーメントには大きなメリットがありますが、実行の際には注意が必要です。例えば、現場の裁量を大きくすることで、顧客対応にばらつきが発生することや、企業ブランドの一貫性を損なう活動がなされることなどが考えられます。
 このような状態を防ぐため、経営理念、行動規範、また現場判断を可能とするような事業戦略や品質に対するポリシーなどを、会社全体で共有する必要があります。
 また、現場の社員から「丸投げ」と認識されてしまうと、責任感やモチベーションに対して逆効果です。組織のマネジャーは、自分の部下一人ひとりが何を得意としているか、そして、どういうキャリアや仕事を望んでいるかを把握しておく必要があります。加えて、マネジャーには部下が本当にしたいと思っていることを引き出すコーチングの能力が求められます。(亀井卓也)


(書籍発行:2008年4月)
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