排出権取引 Emissions Trading
環境汚染物質を排出する権利を取引することで、社会全体での排出量削減を効率的に実現するための仕組み。
排出権取引制度は、社会全体で許容される環境汚染物質の総量を決め、個別主体に排出枠として割り当てます。各主体は、実際の排出量が排出枠よりも少なければ、それを排出権として売ることができ、排出量が排出枠より多くても、排出権を購入することで相殺すれば、排出枠まで削減したとみなされます。
効率的な排出削減を促す仕組み
各主体は、取引される排出権の価格を参考にしながら、自ら排出削減を行うか、排出権を購入するかの意思決定を行うことができます。その結果、排出削減費用が小さい主体が削減を行うことになるため、理論的には、社会的に最少費用で排出削減を行うことができます。
温室効果ガスの排出権取引
最近は、温室効果ガス排出削減のための排出権取引が注目されています。京都議定書に基づく国際的な排出権の取引はすでに始まっています。
欧州では、京都議定書の目標達成のために、欧州域内の排出権取引制度である欧州排出権取引制度(EU―ETS)が導入されています。
米国でも、シカゴ気候取引所(CCX)において民間主導の排出権取引の取り組みが行われています。また、北東部では地域温室効果ガス・イニシアティブ(RGGI)と呼ばれる排出権取引制度の導入が予定されているほか、カリフォルニア州でも導入が検討されています。さらに、連邦における排出権取引制度の法案も複数検討されています。
その他、オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州でもすでに温室効果ガス削減計画(GGAS)と呼ばれる排出権取引制度が導入されています。
2008年2月末に、経済産業省と環境省が相次いで国内排出権取引制度導入の検討を表明、導入に向けての気運が高まりました。両省とも、同年7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)前までに議論をまとめることにしています。(三輪紀人)
| 排出権取引のイメージ |
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(書籍発行:2008年4月) |