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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

ダイバーシティ・マネジメント Diversity Management

人材の多様性の価値を活用し、企業価値の向上に結びつける経営戦略。目的の明確化、風土づくり、長期的視点での取り組みが大切。

 ダイバーシティ・マネジメントとは、人材の多様性に価値を見出し、その活用によって創造性の高い組織を形成し、企業価値の向上に結びつける経営戦略です。人材の多様性は、性別、年齢、身体的特徴、国籍などの属性の違いだけでなく、就業経験、学歴、宗教、職能など様々な違いによるものです。一般的には、女性活用、障害者雇用、高齢者雇用など、特定の種類の多様性に焦点を当てて議論されることが多いです。

社会貢献ではなく経営戦略の1つ
 かつて、多様な人材の活用は、企業にとって受身的取り組み、つまり社会の要請への対応にとどまる傾向にありました。しかし、最近では女性活用を中心に、企業自らの積極的な取り組みとして実践される例が増えてきました。経済同友会においても、女性をはじめとする多様な人材の活用は、企業が社会貢献として負担する活動ではなく、企業価値向上に直結する本業の活動だという見解を提示しています。つまり、ダイバーシティ・マネジメントは経営戦略の1つなのです。
 このように企業の意識が変化している背景には、少子高齢化による労働力人口の減少で女性や短時間労働者等の本格活用の必要性が高まっていることや、経済のグローバル化の進展で、異文化、異人種とのかかわりが日本企業でも身近になりつつあることなどがあります。

3つのポイント
 ダイバーシティ・マネジメントの実践には主に次の3点が大切です。まず、ダイバーシティ・マネジメントにより、企業が目指す目的(獲得リターン)が明確で、経営者がそれを強く認識していることです。これは、ダイバーシティ・マネジメントの大前提です。
 第2に、自分と異なる人材を尊重する姿勢を企業風土として定着させることです。行動規範として明示し、研修等で継続的な啓発活動を行うなどの工夫が必要です。
 第3に、長期的視点で取り組むことです。ダイバーシティ・マネジメントは、多様な人材が互いに尊重し合うことで新たな創造力を生み出す組織の変革です。組織として成果を上げる仕組みや体質をつくるには一定の時間が必要です。(宮脇陽子)


(書籍発行:2008年4月)
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