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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

コーポレートブランド Corporate Brand

自社の価値観を各ステークホルダーと共有することで、企業価値を高めようとする考え方。

 コーポレートブランドは、他社と比べた自社の特徴(≒その企業らしさ)です。企業は、優れたコーポレートブランドを構築することで自社と他社を差別化し、顧客に対して商品やサービスの信頼感を高めることができます。また、従業員の求心力向上、優秀な人材の確保、資本市場からの資金調達等を通じて、企業価値を高めることが可能になります。

社内の求心力を高める手段
 従来から日本企業はプロダクトブランドに比べてコーポレートブランド主導といわれてきました。さらに近年、特にコーポレートブランドが注目を集める背景は2点あります。
 1点目は、株主重視の考え方が浸透する中で、将来的なキャッシュフローを創出するための無形資産としてコーポレートブランドに注目が集まっていることです。2点目は、1990年代後半以降、企業の競争力強化を目的に進められた合併・分社化、成果主義の導入、人員削減等が、社内の求心力低下という弊害も招いたため、自社の価値観を従業員との間で再共有し、意識のベクトル合わせを行う必要があることです。
 コーポレートブランドの効果は多岐にわたりますが、主要なものとして、(1)プロダクトブランドの強化、(2)従業員の求心力向上、(3)グループ企業の求心力向上の3つがあげられます。なお、類似概念であるコーポレートアイデンティティは、ロゴ等のビジュアルによる訴求にも力点を置いている点に違いがあります。

一貫したメッセージを
 自社の提供価値を世の中に発信することはプロモーションだけでも可能ですが、実際には商品やサービス、営業員の行動などが伴っていないと、コーポレートブランドの構築には悪影響にもなりかねません。その意味で、商品、サービス、営業員、広告など、自社と顧客とのすべての接点で一貫したメッセージを発信することが重要です。
 自社の提供価値の明確化と従業員への浸透に向けて、コーポレートブランドの提供価値に従って行動することを奨励する社内制度の整備や定期調査により、理想としているイメージと現状とのギャップを常に比較・修正できる体制を構築することも重要になります。(名取滋樹)


(書籍発行:2008年4月)
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