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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

コンカレントエンジニアリング Concurrent Engineering

製品開発において、各種工程を同時並行的に行うことで、スピードアップやコストダウンを目指す手法。

 コンカレントエンジニアリングとは、製品開発において基本設計、詳細設計、量産設計、試作、生産準備など、各種工程を同時並行的に行うことで、スピードアップやコストダウンを目指す手法です。

日本の思想をITでプロセス化
 狭義には、デジタル化したデータを共有することで、デザイン、材料検討、強度解析、コスト見積り等の作業を同時並行化することを指しますが、広義では、ボーイング社の旅客機のように、社外メーカーが国際分業体制で同時並行化するような大規模なものもあります。
 開発工程の同時並行化については、日本の製造業では、旧来から上流工程と下流工程がオーバーラップして、スキルに頼った形で擦り合わせを実施していました。コンカレントエンジニアリングは、プロセスやルールの整備、IT技術の導入により同時並行化を実現したのがポイントで、これはメードインジャパンの強さに着目した米国製造業が1980年代後半から日本の製品開発をベンチマークした成果ともいわれています。

開発期間を劇的に短縮
 日本におけるコンカレントエンジニアリングは、1990年代半ば以降に3D CADが普及するにつれて、設計の分業や、生産性検討の同時並行などで取り入れられるようになりました。自動車では開発期間が1年を切った車種も現れるなど、開発のスピードアップや生産性向上に大きな効果をもたらしています。
 現在はビジネスがグローバル化し、開発と生産は国をまたがった別の拠点で行われることが多くなってきました。また、競争の激化で製品開発スピードの向上も求められており、こうした背景からコンカレントエンジニアリングを導入する企業が増えています。
 離れた拠点間で作業を同時並行化するため、情報共有や機能間コミュニケーションをサポートするCADやPDMといったITツールが不可欠です。また、プロセス設計面ではスピードアップの大敵である手戻り(設計変更)防止がポイントとなるため、手順整備だけでなく、レビューや意思決定のルール化が重要です。(野口陽)


(書籍発行:2008年4月)
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