コミットメント Commitment
責任を伴う約束のこと。責任を負う者の約束に対する強い決意や覚悟の意志が含まれる。
近年では多くの企業トップが、株主、顧客や従業員、あるいは広く社会に対して自社が果たすべき役割をコミットメントとして表明しています。コミットメントには、果たすべき約束という意味に加えて、その約束に対して責任を負う者の強い決意や覚悟の意志が含まれています。
日産自動車におけるコミットメント
コミットメントという言葉をよく使用する経営者の一人として、日産自動車のカルロス・ゴーンCEOがあげられます。日産社内では、コミットメントという言葉を、より狭義の「必達目標」という意味で使用しています。コミットメントが未達成の場合には具体的な形で責任をとることになります。
一方、コミットメントよりもさらに高い目指すべき目標は「ターゲット」と呼んで区別し、コミットメントという言葉のあいまい性を排除しています。日産ではこのようにして組織の無責任体質化を防止しています。
コミットメントの形成プロセス
外部からの強い圧力で形成されたコミットメントは、十分に機能しない可能性があります。外部からの圧力には、コミットメントが実現されなかった場合の人事的評価や処遇だけでなく、実現された場合の魅力的な報酬も含まれます。
外部からの圧力は、人に何かをさせることはできても、本人の責任感を引き出すことにはつながりません。
社員のコミットメントを引き出すには、5つのパターンがあるといわれています。その5つとは、(1)組織のミッション、価値観、誇りを共有する、(2)業績・業務プロセスの透明性を高める、(3)社内に幅広くチャンスを提供し、社員の企業家精神を尊重する、(4)社員の個人的なビジョンの達成を支援する、(5)あらゆる機会を通じて社員の成果を認め称える、です。企業特性に応じて、これらのアプローチを組み合わせて実施することで、社員の内発的なコミットメントが促されます。
外部からの圧力ではなく、自らの意志で判断したのだと感じるプロセスを経て初めて、本当の意味でのコミットメントが形成されます。そして、そのようにして形成されたコミットメントは、長期的に効力を発揮することになります。(亀井卓也)
(書籍発行:2008年4月) |