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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

セル生産 Cell Production System

少人数の作業者がセルと呼ばれるコンパクトな生産ラインの中で製品の完成までを担当する、ライン内での完結性の高い生産方式。

 従来型のベルトコンベヤーを使った生産方式と比較して、セル生産には、次のようなメリットがあります。
 (1)部品や工具を入れ替えるだけで生産品目を変えられるため多品種少量生産に適する、(2)リードタイムを短くできるため在庫を削減できるなど、仕組みに起因するメリットがあります。加えて、(3)製品の完成までを一貫して担当するため作業者のやる気を高められ、その結果、創意工夫が生まれてラインの改善が進みやすいなど作業者のモチベーションに起因するメリットもあります。

モノづくり回帰が導入を促進
 高度経済成長以降の大量生産時代に、多くの日本企業が安い労働力を求めて海外に工場を設置しました。しかし近年では、消費者ニーズの多様化から多品種少量生産が求められるようになっています。とくに日本企業にとって、成熟した日本市場で売れる商品をタイミングよく投入するためには、開発拠点のある日本で製造する必要性が高まっています。
 このようなモノづくりの日本回帰に伴って、セル生産が拡大しています。
 当初は商品ライフサイクルの短いエレクトロニクス製品の組立工程で主に採用されましたが、現在では自動車や工作機械などの製品分野にも導入が進んでいます。最近ではロボットを活用して省力化した方式や工程を複数のセルに分割して流れ作業を行う方式など、セル生産の進化系も登場しています。

やる気を引き出す仕組みが重要
 セル生産のデメリットとしては、作業者のやる気や熟練度に大きく依存することがあげられます。1人生産の場合、1人がすべての工程を受け持つことになるため、高いスキルが要求されます。
 セル生産を導入しても、思うように生産性を上げられない企業が散見されますが、その原因は作業者の創意工夫を十分に引き出せなかったり、教育がうまくいっていない場合が多いようです。
 作業者の知恵をライン改善に迅速に反映できる仕組みや教育ツールの導入など、作業者をバックアップする仕組みを整えることが重要です。(田中雄樹)


(書籍発行:2008年4月)
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