バイオ燃料 Bio Fuels
バイオマスを原料に製造される燃料。世界的に導入が進んでおり、わが国では2030年までに約600万klのバイオエタノールを導入することが目標となっている。
バイオ燃料とは、生物資源を原料として製造される燃料を指します。主として現在は、ガソリンへの混合利用を目的としたバイオエタノールと軽油の代替燃料としてのバイオディーゼル燃料(BDF)の2種類があります。
カーボンニュートラルな燃料として注目
バイオ燃料は、原料となる植物が成長する過程で光合成により二酸化炭素を吸収するため、燃焼させても二酸化炭素量は増加しないとみなされるカーボンニュートラルの燃料です。そのため、各国は温室効果ガスの排出削減の手段としてバイオ燃料の導入を進めています。
また、バイオ燃料の導入促進には農業振興という側面もあります。バイオ燃料を導入すると、原料の生産農家にとっては農作物の新たな需要が生まれ、取引価格が上昇または維持されることが期待されます。
さらに、自国の農業振興を図るため、バイオ燃料の導入を進めている国の多くでは、自国で生産される作物を活用してバイオ燃料を製造することを計画しています。そのため、バイオ燃料の導入はエネルギーの自給率を上昇させる一助ともなります。
このようにバイオ燃料の導入には(1)温室効果ガスの排出削減、(2)農業振興、(3)エネルギー自給率の向上といったメリットが期待されています。
非食用原料の活用が課題
しかし、バイオ燃料にも課題があります。その1つが食糧と燃料との競合です。
バイオ燃料の主たる原料は食用作物です。そのため、原料作物をバイオ燃料製造に使うのか、食用に使うのかという競合が生じ、原料作物の価格は上昇しています。原料作物価格の上昇は、バイオ燃料の製造コストを引き上げ、導入を阻害するだけではなく、食料品の価格上昇を招き、経済に悪影響を及ぼしかねません。
この状況を改善するため、バイオエタノールでは、これまでは糖化させることが難しく、燃料に利用されていなかった、セルロース系の原料を利用する技術の実用化が進められており、バイオディーゼルではヤシの代替として非食用植物の利用が検討されています。(小長井教宏)
(書籍発行:2008年4月) |