株式持ち合い Cross
Shareholding
日本型経営の特徴的なものといわれた株式持ち合い構造が崩壊の時を迎えている。
株式持ち合いとは、企業系列の中で、互いに相手の株式を保有し合うことをいいます。日本では経営権の取得、グループ化、企業間取引の強化、株式の安定化などの目的で取引関係にある金融機関や事業会社、グループ内企業などがお互いに株式を持ち合うケースが多く見られます。
安定株主と日本経済の閉鎖性
株式持ち合いは、日本型経営の特徴の1つといわれてきました。その背景として、1960年代に資本自由化で欧米資本の日本進出と企業買収が懸念され、株式の相互保有が積極的に進められたことがあります。その結果、株式保有における法人所有比率は高くなり、持ち株を売却することがない「安定株主」が多く存在することになりました。
日本の製造業などは、こうした関係の下、長年下請けなどを同じグループ内で行うことにより業績を伸ばしてきました。
株式持ち合いにより安定株主の比率が増すと、株式市場での株式の流通量が減ります。取引株式数が少ないと、株価が実態以上に高くなることや、株価の暴落が起こりにくくなることによる株価の安定化などが生じます。実際日本は、経済の閉鎖性(支配の排他性)があるとして諸外国より非難されてきました。
東証の1割は持ち合い株式
しかしながら、1990年バブル経済崩壊以降の株価下落にともなう含み損・評価損や、悪化した資産効率の向上のため、株式持ち合いが解消され始めました。とくに金融機関が経営状態の改善のために「益出し」を行っていることから、株式持ち合いの解消が加速しています。
最近では株主重視・資本効率(ROE)重視の経営姿勢が求められ、従来の企業グループの枠を超えた企業再編が進行しており、構造的にも株式持ち合いは崩れつつあります。また、国際会計基準を導入して時価評価を採用する場合、持ち合い株式の評価の変動による利益の消失や多額の法人税支払いなどのリスクが発生するため、今後も株式持ち合い解消の動きは続くでしょう。
2000年末時点で、東証上場企業の株式時価総額約400兆円に対して、持ち合い株式はその1割にあたる約40兆円となっています。
(書籍発行:2001年10月)
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