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経営用語の基礎知識
経営用語の基礎知識(第3版)

ALM Asset Liability Management

金利や為替の変動リスクを不足なく評価し、企業として資産と負債を総合的に管理すること。

 ALMは「資産・負債の総合管理」といい、主に金融機関において活用されているバランスシートのリスク管理方法です。

資産と負債を一元管理
 金融機関では、金融自由化という環境変化の下で、将来の金利や為替などの変動によって損失が生じるリスクを適切に予測し管理することが収益管理の基本的な課題になっています。そこでは、リスクの許容範囲内における収益の極大化、もしくは過度のリスクを回避して損失額を極小化することが必要です。
 ALMでは、資産の金利更改や負債の金利更改を不足なく把握し、これらの変動による資産や負債の価値および期間損益の変化を考慮した資金の調達・運用を行います。銀行、証券、ファンド、不動産等の金融関連企業ではバランスシートの資産の側も金融資産であるため、資産と負債を別個に管理するのではなく、一元管理することが特に重要になります。
 金利や為替リスクにさらされる点は、一般事業会社も同じです。そのため、この考え方は事業会社の財務部門においても、最適資本構成を考える上で活用されています。

ALMとサブプライム問題
 ALMの管理のためには、まずデリバティブなどのオフバランス項目も含めた資金調達・運用の残高を、資金の特性別や期間別等で把握できる体制を構築します。その上で、将来の金利などの変動を適切にシミュレーションし、将来の期間収益予測を行います。
 許容範囲を超えた予想損失額が見込まれる場合には、適切なヘッジ・オペレーションを施して、その結果を常にモニターしながらリスクを縮小させる(収益を確定させる)ように管理していきます。
 例えば、米国の住宅ローン会社は、短期での資金調達を行い、長期での融資を行っていますが、ALMの下では資産と負債のリスクがバランスしません。そのため、住宅ローン債権は証券化・再証券化を経て、投資家に販売されていました。しかし、もともと返済の遅延・不能リスクが高い債権であり、住宅価格上昇が鈍化し遅延・不能リスクが顕在化した2007年には、サブプライム問題を引き起こしました。(古賀龍暁)


(書籍発行:2008年4月)
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