ゼロ・エミッション Zero Emission
工場等で発生する有害物質を極力再利用することで、排出量をゼロに近づけること。
ゼロ・エミッションとは、ある範囲内で、環境に影響を与える物質の排出がゼロに近い状態のことや、企業などがその状態の達成を目指す活動を指します。
原料・燃料削減のメリットも
1997年に国連大学が提唱したゼロ・エミッションの概念は、経済システムを生態系にたとえ、経済システムから排出される物質をゼロにすることで持続可能な発展や循環型社会を目指すものです。通常は、1つの事業所や工場で発生した廃棄物のうち、埋め立て処分される割合を極力ゼロに近づけ、ほぼ全量をリサイクルすることを指します。一般的に、排出される廃棄物の割合がゼロに近づくにつれ、削減が難しくなるため、1%や0.5%という現実的な数値が設定されることが多くなっています。
企業にとっては、環境への負荷が少ない事業を行うことによる評判を得られるだけでなく、廃棄物を資源として再利用することで、生産工程で投入する原料や燃料を削減できる、廃棄物を有償で売却することで収入を上げられるメリットもあります。
発生と排出の管理が必要
ゼロ・エミッションを達成するには、発生抑制と排出抑制という2通りの方法があります。
発生抑制のためには、生産だけでなく、製品設計、さらには消費や廃棄を含めた製品ライフサイクル全体で排出される廃棄物をできるだけ減らす必要があるため、関係する主体を巻き込んだ活動が重要となります。
排出抑制では、廃棄物を原料や燃料として再利用することになるため、分別をはじめとする物質の管理を徹底する必要があります。工場での排出物を原料にした固形燃料(RPF)の生産などが排出抑制の一例です。
ただし、ここでのリサイクルは、材料としての再利用だけでなく、高炉の還元剤としての利用や燃焼によるエネルギー回収を含めて定義されることが多いため、「抜け道」が多いという批判もあります。
なお、排ガスを出さない自動車や温室効果ガスを排出しない発電等に対してもゼロ・エミッションという言葉が使われることがあります。(山口臨太郎)
(書籍発行:2008年4月) |