株券電子化は2009年1月5日に証券決済制度改革の最終段階として実施されました。株券が
電子的なデータになれば、受け渡しの流れや管理の仕組みも変わります。例えば、株式の売買は、口座の残高データを増やしたり減らしたりする“口座振替”によって処理。従来は信託銀行など各機関で個別に管理されていた株主情報も、すべて一元管理されるようになりました。この振替をを行ったり株主情報を集めて管理するシステム処理を担ったのが、証券保管振替機構(以下、ほふり)です。各金融機関から必要なデータを受け取って処理をし、渡すという、いわば仲介役の機関といえます。
この仲介役であるほふりが、株券電子化によりシステムを大幅に刷新。そのため、電子化に応じるすべての証券会社、銀行、証券取引所なども、ほふりに合わせて業務システムや業務のやり方を変えなければならなくなったのです。
NRI が提供している共同利用型のリテール証券システムSTAR-IVも、ほふりのシステム変更に対応する必要がありました。STAR-IVはこのとき、約70社の証券会社や銀行で利用されており、業界で大きなシェアを占めていました。
「ですから、われわれが対応を誤れば、電子化実施は間違いなく遅れるだろうと思いました。それゆえ、プレッシャーは相当なものでした」
制度の概要とシステム対応の全貌が見えてきたときのことを齋藤は振り返ります。
2006年半ばから、ほふりは証券会社に向けて説明会を開き、システム仕様を公開しました。これを受けてNRIのSTAR-IVチームは、9月から検討を始め、07年6月に電子化対応プロジェクトをスタートさせました。完全対応までに乗り越えるべきいくつもの山がある中で、STAR-IVチームは08年7月から行われる予定のほふりのテストを大きな山場に設定。この直前に新しいSTAR-IVを先行稼動させることを目標に開発を進め、09年を迎えました。
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