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STAR-IV 株券電子化システム対応プロジェクト 第1話 証券業界の一大プロジェクトにおいて先導を期待されたSTAR-IV
個人投資家である私たちが、証券会社に口座を開いて、株を買ったり売ったりする──こうした証券会社 のリテール業務の一端を支えるシステムがNRIのSTAR-IVです。このシステムは、準大手、中堅の証券会社など約70社で共同利用されており、証券業界を支えるインフラともいえる存在です。だからこそ、2009年1月に始まった株券電子化対応ではNRIが先導的に動かなければならなかったと、STAR-IV開発担当の齋藤大輔は振り返ります。
NRI 証券ITサービス事業本部 証券システムサービス開発一部 STAR-IV開発担当 齋藤 大輔
NRI 証券ITサービス事業本部
証券システムサービス開発一部
STAR-IV開発担当
齋藤 大輔

 「これまで、いろいろな証券制度変更に対応してきましたから、今回もよくある制度対応プロジェ クトの一つというイメージでした」
 株券電子化に当たり、システム対応プロジェクトを率いてきたNRIの齋藤大輔は、最初の印象を振り返ります。しかし、すぐに「甘いものじゃない」ことを悟ります。
 証券業界の大規模プロジェクトだった株券電子化。新制度へのシステム対応について、ここで整理しておきましょう。  


業界を巻き込んだシステム対応
 株券電子化は2009年1月5日に証券決済制度改革の最終段階として実施されました。株券が 電子的なデータになれば、受け渡しの流れや管理の仕組みも変わります。例えば、株式の売買は、口座の残高データを増やしたり減らしたりする“口座振替”によって処理。従来は信託銀行など各機関で個別に管理されていた株主情報も、すべて一元管理されるようになりました。この振替をを行ったり株主情報を集めて管理するシステム処理を担ったのが、証券保管振替機構(以下、ほふり)です。各金融機関から必要なデータを受け取って処理をし、渡すという、いわば仲介役の機関といえます。
 この仲介役であるほふりが、株券電子化によりシステムを大幅に刷新。そのため、電子化に応じるすべての証券会社、銀行、証券取引所なども、ほふりに合わせて業務システムや業務のやり方を変えなければならなくなったのです。
 NRI が提供している共同利用型のリテール証券システムSTAR-IVも、ほふりのシステム変更に対応する必要がありました。STAR-IVはこのとき、約70社の証券会社や銀行で利用されており、業界で大きなシェアを占めていました。
 「ですから、われわれが対応を誤れば、電子化実施は間違いなく遅れるだろうと思いました。それゆえ、プレッシャーは相当なものでした」
 制度の概要とシステム対応の全貌が見えてきたときのことを齋藤は振り返ります。
 2006年半ばから、ほふりは証券会社に向けて説明会を開き、システム仕様を公開しました。これを受けてNRIのSTAR-IVチームは、9月から検討を始め、07年6月に電子化対応プロジェクトをスタートさせました。完全対応までに乗り越えるべきいくつもの山がある中で、STAR-IVチームは08年7月から行われる予定のほふりのテストを大きな山場に設定。この直前に新しいSTAR-IVを先行稼動させることを目標に開発を進め、09年を迎えました。  


先行稼動させるための努力と工夫
 こうやって流れをまとめてしまえば、プロジェクトはいかにもスムーズに進んだかに見えます。しかし実際は、いくつもの困難の連続でした。例えば、ほふりが公開した新システムの仕様を、証券会社の実際の業務にいかにかみくだいて落としていくか。さまざまな要望を掲げる証券会社をどのように調整していくか。証券会社の足並みがそろわずSTAR-IVの仕様も決まらない中で、開発を遅らせないためにはどうすればいいか。必要な要員をいかに確保するか……。これら数々の課題を解決し、結果的にSTAR-IVチームは、業界の中 で先導的にプロジェクトを進めることができました。その理由について齋藤は──。
 「証券会社との調整は、問題の一つひとつを地道に解決していったとしか言いようがない。仕様については、すべてが決まるまで待っていては開発に着手できないので、未確定な部分は後で変更できるよう、設計段階で自由度を高める工夫をしました」
 ほふりとのテストをターゲットに置いて、新しいSTAR-IVを先行稼動させたことも「最終的にはよかった」と齋藤。ほふりとのテストを容易にしたり、制度開始時にシステムが不安定になるリスクを抑えることができたからです。逆に先行稼動のために、新しい機能が新制度の実施前には動かないような仕組みをつくるという苦労もありました。
 さらに、齋藤は付け加えます。
 「当初は私がPM(プロジェクトマネージャー)でしたが、2008年に入ってPMを交代したのです。自分が開発の中身を細かく見ていくことに集中できる体制に変えた点も、大きな成功要因だったと思います」
 2009年1月5日に、株券電子化は無事にスタートしました。「万が一、自社システムを持つ証券会社の対応が間に合わなかった場合、STAR-IVの方で受け入れてもらえないか」と業界関係者から打診されたこともあったと齋藤は言います。それだけSTAR-IVは、業界の中で頼られ期待されていたといえます。
 NRI は今回、証券業界の一大プロジェクトを陰ながら先導する役割を果たしましたが、日頃STAR-IVを利用している証券会社や関係各社には特別なこととは映っていないようです。齋藤は次のように言います。
 「それが当たり前です。制度変更はNRIに任せておけば対応してくれる、STAR-IVを使っていれば面倒もなく安心と、お客様に思っていただける。私たちには、それが大事なことなのです」

株券電子化のシステム対応
株券電子化のシステム対応


※本文中の組織名、職名、構成図は公開当時のものです (2009/9/14公開)
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