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I-STAR 証券ホールセールビジネスのための共同利用型システム 第1話 誕生から普及まで
 証券ホールセールのバックオフィスシステムとして、証券業務をトータルにサポートする「I-STAR」。1987年に誕生して以来20年間、数多くのユーザーの支援を受けてきました。現在では、日本に進出しているほとんどの外資系証券会社、ならびに日本のホールセール系証券会社で利用され、証券業界のインフラとして一翼を担っています。
外国証券会社の日本参入を支援
NRI I-STAR事業部 グループマネージャー 平中 直也氏
NRI I-STAR事業部
グループマネージャー
平中 直也

 1980年代半ば、海外から金融自由化を求められるようになった日本では、外国証券会社に対する免許発行数が増え、証券取引所の会員権も開放されます。これを機に、外国証券会社の日本市場参入が始まりますが、その前には、大きな障壁が立ちはだかっていました。証券市場慣行、証券取引法への対応、書類の作成、当局への報告……。複雑な日本独自のビジネス慣行は、外国証券会社にとって、言語以上に大きな壁だったのです。外国証券会社を何とかサポートできないものか。そんな思いを抱いたNRIは、外資系証券会社向け共同利用型システムの開発に着手します。そして1987年、画面も帳票もすべて英語でサポートした「I-STAR」が誕生しました。
 「I-STARは日本の証券制度の変更に常にキャッチアップし、お客様のご満足を得るよう説明して参りました。ですから、外資系証券会社にとって、日本の証券決済制度に準拠したバックオフィスシステムという位置づけになっているんですね。外国の証券会社が、日本で新たにビジネスを開始する場合、I-STARをご利用頂ければ、会社立上げが最もスムーズで、安定したビジネスが遂行可能になります」
 NRIのI-STAR事業部営業グループマネージャーの平中直也が語ります。誕生以来20年。長く運用されてきたシステムだからこそ、日本独自の証券慣行と、外資特有の文化を理解した、ノウハウが蓄積されています。その結果、外国の証券会社にとってI-STARは、日本における良きパートナーとなっています。
 平中がI-STARの営業を始めた1994年当時、I-STARの他にも、類似の証券ホールセール向けバックオフィスシステムがありました。I-STARが徐々にシェアを広げ、業界の標準システムになっていくまでに、いくつかのエポックがあります。


手厚いサポート姿勢がシェアを伸ばす
 「一番大きなエポックは、西暦2000年問題への対応です。このとき他社システムを使っていた大手の外資系証券会社が、I-STARに乗り換えられました。2000年対応でシステム交換の必要があるのならば、業界標準となりつつあるI-STARのほうがいいだろう、ということで」
 1993年に施行された金融制度改革法により、日本の銀行が証券子会社を設立できるようになったことも、シェア拡大を後押ししました。それまで外資系証券会社のためのシステムとされていたI-STARの日本語対応が行われ、日本の会社も利用できるシステムとして認知されていきます。
図1 I-STARの利用社数
 「でも、こうした出来事だけでシェアを伸ばしたわけではないのです。私たちは、お客様が困られていたらすぐに飛んでいく、問い合わせをいただいたら即座に対応するといった、“クライアント・ファースト”の姿勢を貫いてきました。困ったらNRIへ。そんな評判がお客様の間に広まっていったことも、I-STARの魅力の一つです」
 現在I-STARは、市場を支えるインフラとしての役割をますます強めています。例えば、日本銀行の国債・資金決済を行うI-STARのサービス群のひとつ「I-STAR /LC」。このサービスは、国債・レポ取引等の決済をトータルにサポートし、我が国の国債市場の拡大に大きく貢献しています。日銀と金融機関との国債・資金決済をオンラインで処理する日銀ネットが高度化された時にはいち早く対応しました。また、2005年に業務を開始したJGBCC(日本国債清算機関)との連携では、スムーズなネット決済を実現しています。
 「2009年の株券のペーパーレス化により、日本の証券決済制度の変更は一段落しますが、今後は証券各社が、独自の戦略の下で競争を強いられることになるでしょう。I-STARではバックオフィスシステムとしてのサービスを提供しながら、さまざまなお客様ニーズにお応えしていきたいと思っています」

表1 金融市場の動きとI-STARの変遷
  金融市場の動向 I-STAR
1985年
東京証券取引所、外国証券会社に対する会員権の自由化を決定
 
1986年  
I-STAR開発に着手
1987年
大阪証券取引所が、株式先物取引を開始
I-STARサービス開始
1988年
東京・大阪証券取引所が、株価指数先物取引を開始
先物取引管理の機能対応
1989年
東京証券取引所が、株価指数オプション取引を開始
香港拠点向けサービス、I-STAR・Hサービス開始
1990年
バブルの崩壊
東京証券取引所が、債券先物オプション取引を開始
 
1991年
証券保管振替制度開始
株式店頭市場システム開始
NRI横浜データセンターでI-STARの運用開始
1993年
金融制度改革法が施行。銀行に証券子会社設立が認められる
銀行系子会社向けにシステム大幅改修。銀行系証券子会社6社が利用開始。(〜95年)
1995年  
I-STAR/CM(資金管理システム)サービス開始
外資系銀行向けにサービス開始(2行)
1996年  
I-STAR/RR(対外報告作成システム)サービス開始
1997年
国債の決済期間短縮
約定基準・時価会計制度開始
約定基準・時価会計制度に対応(会計機能を大幅改修)
1998年
欧州通貨統合の準備に入る
金融監督庁が発足
I-STARでユーロ・コンバージョンの対応
1999年
証券子会社での株式関連業務の開始
株式委託手数料の完全自由化
銀行系証券子会社で株式業務開始
手数料の自由化対応
コンピュータの西暦2000年問題対応
2001年
日銀、国債のRTGS化(即時グロス決済)
東京・大阪取引所で、上場株式のDVP決済開始(証券と代金の同時受渡し)
保振決済照合システム開始
取引所DVP決済対応
I-STAR/LC(日銀RTGSシステム)サービス開始
I-STAR/MX(保振決済照合システム)サービス開始
2004年
保振、一般振替DVP制度を開始
I-STAR/CX(保振決済システム)サービス開始。一般振替DVP制度に対応
2005年
日本国債清算機関(JGBCC)、業務を開始
I-STAR/LCのASP化(JGBCC、日銀ネット高度化に対応)
2006年
一般債振替制度開始
I-STARにて、一般債振替制度に対応
2007年
投信の振替制度開始
I-STARにて対応中
2009年
株券の無券面化
I-STARにて対応中

※本文中の組織名、職名は公開当時のものです (2006/08/14公開)
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