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NRIが2005年4月に提供を開始した、IT基盤ソリューション「GranArch」。90近くの個別サービスを3つのカテゴリーで体系化したこのソリューションは、これからのIT基盤のあるべき姿を明快に示したものだといえるでしょう。ここでは現在のIT基盤が抱える問題点を指摘した上で、GranArchの概要を紹介します。
※本文中に登場する「NRIデータサービス」は、2006年4月に、NRIと合併しました。
本内容は、2005年12月に掲載されたものです。
現在のビジネスや社会生活は、かつてなかったほどにITへの依存度を高めています。いまや“IT抜きでビジネスを遂行することは不可能”といっても過言ではなく、個人生活でもITは不可欠な存在になってきました。
このような状況の中、IT基盤をどのように確立すべきかが、改めて問い直されています。その理由は大きく2つあります。
1つめの理由は、ITがビジネスや生活に欠かせない存在になっているため、その停止が大きな影響を与えるようになっているからです。例えば銀行のATMがダウンしたらどうなるでしょうか。金融機能の停止によって、経済活動に大きな混乱がもたらされるはずです。経済への影響が大きいのは銀行システムだけではありません。オンライントレードシステムやチケット予約システムなど、その停止が大きな混乱をもたらすシステムは他にも数多く存在するのです。また航空会社のフライトプランニングや航空管制のシステムが突然ダウンすれば、人命を失う危険性もあります。強固なIT基盤の存在抜きに、現在の社会は成立し得ないところまできているのです。
もう1つの理由は、変化への対応力に対する要求が高まっていることです。これまでの多くのシステムは、様々な業務のアプリケーションごとにIT基盤を構築するという、部分最適化の発想に基づいたものがほとんどでした。しかし変化の激しい時代には、一度構築したITシステムをそのままの状態で長期間使い続けることは困難です。処理量の変化への対応はもちろんのこと、新機能の追加や不要機能の削除など、ITシステムも変化し続けることが必要です。
また市場やユーザーの要求に合わせて、新しいアプリケーションも次々に作られていくことになるでしょう。部分最適なIT基盤に依存し続ければ、IT基盤はどんどん“ツギハギ”な、複雑なものになっていきます。これによって変化への対応力は失われ、信頼性も損なわれていくことになります。
最近ではITシステムを仕様が公開されているオープン技術で構築するのが当たり前になっていますが、これもシステムの複雑化を加速する要因になっています。オープン技術を適切に組み合わせてIT基盤全体を問題なく稼働させるには、極めて高度なマネジメントが求められるのです。そのために必要なノウハウや人材をもつユーザー企業は、決して多くはありません。その結果ほとんどのユーザー企業はIT基盤を特定のベンダーに任せ、“ブラックボックス”として扱う傾向が強くなっています。そしてITシステムの全体像を把握することが難しくなり、コストパフォーマンスの悪化を招いています。
部分最適、複雑化、ブラックボックスといった問題点を抱えるIT基盤のままでは、ユーザー企業は十分な能力を発揮できなくなります。IT戦略が企業競争力を大きく左右する時代だからこそ、その土台といえるIT基盤を根本から見直す必要があるのです。
それではこれからのIT基盤は、どうあるべきなのでしょうか。この問いに対するNRIからの解答がGranArchです。
GranArchとはNRIが2005年4月から提供を開始しているIT基盤ソリューションであり、IT基盤に必要な要素を体系化した上で、IT基盤の構想・設計から構築、運用に至るまで、幅広いマネジメントサービスを提供するというものです。現在既に90種類近くに上るソリューションを用意しており、それらを「トランスフォーム ソリューション」「IT基盤マネジメント ソリューション」「セキュリティリスクマネジメント ソリューション」という3つのカテゴリーに分類しています。
GranArchの最大の特長は、IT基盤に必要なソリューションが幅広く網羅されている点にあります。そのためユーザー企業はラインアップを見るだけで、自社のIT基盤に必要な要素や現在不足している要素などを、即座に把握できるというメリットがあります。
しかし注目すべき特長はこれだけではありません。実はNRIがGranArchの提供で考えているIT基盤とは、IT業界で一般的に言われている“IT基盤”と、大きく異なっているのです。
IT業界で一般的に言われている“IT基盤”とは、ハードウエアとOS、OS上で稼働する基本的なソフトウエアまでを指しています。いわば“裸のコンピューター”に近いものをIT基盤と称しているといえるでしょう。しかしアプリケーションを安定的に稼働させ、変化にも柔軟に対応できるようにするには、統合運用環境やナレッジ基盤、統合認証基盤、セキュリティ基盤など、他にも様々な要素が必要です。またシステム全体を最適な状態で動かし続けるには、適切なマネジメント体制の確立も欠かせません。
GranArchはこれら全てを視野に入れ、広い意味でのIT基盤ソリューションを提供しています。これによって“10年先を見据えた強固なIT基盤”の実現を可能にしているのです。
それではNRIはどのような経緯を経て、GranArchの提供に至ったのでしょうか。またそのためにどのような取り組みを進めてきたのでしょうか。第2回〜第3回では、GranArchに関する7名のキーパーソンと座談会を行いながら、その全貌を俯瞰していきたいと思います。
<座談会参加者>
株式会社 野村総合研究所
基盤ソリューション事業本部
基盤ソリューション推進部長
上席テクニカルエンジニア
野間 克司
株式会社 野村総合研究所
基盤ソリューション事業本部
基盤サービス事業部
グループマネージャー
上級システムコンサルタント
青山 慎
株式会社 野村総合研究所
システムコンサルティング事業本部
ITアーキテクチャーコンサルティング部長
上席テクニカルエンジニア
嵯峨野 文彦
株式会社 野村総合研究所
情報技術本部
システム技術部長
上席テクニカルエンジニア
西本 進
株式会社 野村総合研究所
情報技術本部
技術開発部
オープンソースソリューションセンター
グループマネージャー
上級テクニカルエンジニア
寺田 雄一
NRIデータサービス株式会社
基盤サービス事業本部
基盤サービス推進二部長
上席テクニカルエンジニア
建脇 俊一
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社
取締役
事業開発部長
上席セキュリティコンサルタント
増谷 洋
なお参加者が属する組織の役割は、以下のようになっています。
・
基盤ソリューション推進部/基盤サービス事業部
GranArch全体の企画やとりまとめを担当。基盤ソリューション推進の中心的な役割。
・
ITアーキテクチャーコンサルティング部
基盤ソリューションに関するコンサルティングを担当。
・
システム技術部
基盤ソリューションの適用に必要な人材を育成・供給することで、プロジェクトを技術的に支援。
・
技術開発部
技術トレンドの調査や新規ソリューションの開発などを担当。
・
NRIデータサービス(以降NRIデータ)
データセンターの提供やシステム運用など、IT基盤マネジメントに関するサービス提供を担当。
・
NRIセキュアテクノロジーズ(以降NRIセキュア)
GranArchのセキュリティ関連ソリューションの提供を担当。
※本文中の組織名、職名は公開当時のものです
(2005/12/02公開)
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