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e-JIBAI 損保業界最大の共同化プロジェクト自賠責保険共同システム 第2話 e-JIBAI本番稼働までのチャレンジ
事実上の業界標準システムとして、利用拡大が続いているe-JIBAI。このプロジェクトが順調に進んできた背景には、サービスの理想型を追求していくという徹底した姿勢と、参加企業との綿密なディスカッションがありました。e-JIBAI紹介の第2回目となる今回は、参加企業の要望をいかにして具現化したのか、そしてプロジェクトを成功に導くためにどのようなアプローチが行われたのかを紹介します。
システムのあるべき姿を明確化し理念を共有しながらプロジェクトを推進
NRI 上級システムエンジニア 柴田一也
NRI
上級システムエンジニア
柴田一也

   損保業界にとって過去最大規模のシステム共同化プロジェクトとなったe-JIBAI。単に自賠責保険分野における参加企業のシェアが大きいのみならず、提供している機能の面でも、かつてなかったほどに画期的なものだといえます。このシステムでは自賠責証明書作成から証明書登録、損保各社のホストシステムへの計上処理、情報処理関連機関との連携、そしてキャッシュレス決済に至るまで、幅広い機能をサポート。損保会社にとって文字通り“基幹業務”といえる部分をカバーしているのです。

 「これだけ大きなシステムを参加企業と連携しながら共同化するのは、極めてやりがいのある作業でした」と語るのは、損保ジャパン IT企画部課長の石井敏愛氏。このチャレンジを成し遂げるために最も重要だったのが、各企業間の調整だったと振り返ります。自賠責保険は業界共通商品とはいえ、事務処理を具体的にどのような方法で進めていくかについては、各社個別の側面が多かったからです。
 当然ながら参加企業にとっては、自社のプロセスに合ったシステムを作り上げることが望ましく、調整段階では様々な意見が出てくることになります。しかし各社の意見を全て取り込んでしまうと、システムが肥大化し、コストシェアのメリットは薄れてしまいます。また個別の要望を取り込んだシステムでは、標準的な業務プロセスを確立することも難しく、代理店の利便性も損なわれてしまいます。そのため業界標準システムとして活用を拡大させることも、極めて困難になってしまいます。
 e-JIBAIではこのような問題を回避するために、当初からシステムの“あるべき姿”を明確にした上で、参加企業がこの理念を共有しながらプロジェクトを進めていきました。ここで調整役を務めたのがNRIです。中立的な立場で参加企業の意見やノウハウを集約しながら、システムの理想型を作り上げていったのです。


常に半歩先を読んで“たたき台”を提示し徹底した議論によって合理的な結論へ
 「今回のシステム自体は、技術的に難しいものではありません」というのは、e-JIBAIプロジェクトに参画した、NRI 上級システムエンジニアの柴田一也。しかしシステムの内容を決めるまでの調整プロセスには、きめ細かい配慮が必要だったと振り返ります。特に意識したポイントは、大きく2つあったといいます。1つは常に議論の“半歩先”を読み、NRIが率先して方向性と議論のたたき台を用意すること。もう1つはこのたたき台をベースに、徹底的に議論してもらうことです。「そのために様々な会議体を用意しました。最も多いときで、ひと月に50回の会議を開催したこともあります」
 石井氏は「会議のマネジメントや課題管理には、膨大な労力がかかっているはず」と指摘。NRIが効果的な調整役になったことで、参加企業全てが納得できる、合理的なプロジェクト進行が可能になったといいます。
 このプロジェクトでもう1つ注目したいのが、プロジェクトの推進体制です。前回でも述べたように、e-JIBAIではNRIと日立製作所の2社が採用されました。NRIは、参加企業のシステム構築に対する要求をとりまとめ、要求が適切に実現されているか否かのチェックを実施。また、開発費用についてはNRIが投資し、システム稼動後に参加企業各社からASP利用料金として受け取るというスキームを採用しています。(下図を参照)
 このようにプロジェクト全体のハブ機能をNRIに一元化したことも、これだけ大きなシステムをスケジュール通り実現できた重要な要因であると評価されているのです。

e-JIBAIの開発体制


※本文中の組織名、職名は公開当時のものです (2005/10/24公開)
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