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e-JIBAI 損保業界最大の共同化プロジェクト自賠責保険共同システム 第1話 e-jibaiプロジェクトの背景と目的
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)を対象に、2004年10月に本番稼働を開始した共同システム「e-JIBAI」。現在すでに11社がシステム利用に参加しており、自賠責保険におけるこれらの企業のシェアを合計すると99%を超えるという、事実上の業界標準サービスになっています。それではなぜ損保業界は、このような大規模な共同化に踏み切ったのでしょうか。今回は損保業界が抱える課題と、e-JIBAIプロジェクトの目的を俯瞰します。
コストと展開の問題をクリアするため共同プロジェクトとしてe-JIBAIを開始
損保ジャパン IT企画部 課長 石井 敏愛氏
損保ジャパン IT企画部 課長
石井 敏愛氏

 保険自由化の流れの中で、個性的な商品が続々と登場している損保業界。しかしその一方で全ての損保会社が、同一の内容で提供している保険も存在します。それが自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)です。この保険は極めて公共性が高く“ノーロス・ノープロフィット”を原則に運営されています。そしてその保険内容や事務処理内容も、自賠責保険制度によって定められています。
 自賠責保険にはこのような特性があるため、損保各社が差別化を図りにくい商品で、IT化(電子化)が最も遅れている分野だと言われてきました。もちろん各社共通の保険内容とはいえ、事務処理負担は決して軽いものではありません。むしろ制度が厳格に定められているため、かなり煩雑な管理業務が必要になります。
 「事務処理コストを軽減していくには、自賠責保険でも積極的な機械化を進めていく必要がありました」というのは、e-JIBAIプロジェクトに当初から参画してきた、損保ジャパンIT企画部の石井敏愛課長。しかし1社だけで改革を行うのは、システム投資や運用などのコスト面での問題や、保険販売代理店への展開が難しいという問題があったといいます。「これらの問題を解決するには、コストを複数社でシェアでき、代理店の利便性も向上できる“共同化”が、最も現実的な解決策だったのです」(石井氏)。
 このコンセプトに賛同した5社による共同プロジェクトとして「e-JIBAIプロジェクト」をスタート(プロジェクト途中で1社増え6社プロジェクトになります)。2003年5月には、複数のシステムインテグレーターにRFP(提案依頼書)を提示した上で、各社の提案内容の比較検討が行われました。その結果同年7月に、NRIと日立製作所の2社に決定。プロジェクト全体のスキーム設計と事務局支援、システム運用をNRI、システム開発を日立製作所が担当し、システム構築がスタートします。そして2004年10月にはe-JIBAIシステムが完成。NRIが管理するシステムを損保各社が利用するという、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)方式で運用が開始されるのです。


ASP化の目的は参加企業の門戸拡大 そのリスクを積極的に取ったNRI
 「e-JIBAIをASPサービスとしたのは、門戸を広げて参加企業を増やせるようにするためです」と石井氏。コストのシェアと代理店の利便性向上を進めていくにはできるだけ多くの損保会社が参加することが望まれますが、そのためには特定の損保会社がシステムを保有するのではなく、中立的な企業によるサービス提供が必要だったと説明します。それではこのようなサービスを実現する企業体として、なぜNRIが選ばれたのでしょうか。大きく3つの理由が挙げられています。
 まず第1は「コンサルティング能力の高さと実績」です。すでにNRIとつきあいのある損保会社から、NRIの能力は高く評価されていたのです。第2は「提案価格の安さ」。そして第3が「ASPサービス実現に向けた積極性」です。システムインテグレーターがASPサービスを提供することは、システム保有に必要な初期投資リスクなどを受け持つ必要があり、決して簡単に請け負えるものではありません。しかしNRIはこのリスクを積極的に取り、損保業界にとって最適なASPサービスを提供しようという強い姿勢が見られたのだといいます。
 e-JIBAIではシステム構築・運用に必要なコストを、参加する損保会社が分担して“ASP利用料金”として負担するため、参加企業が増えるほど利用各社のメリットは大きくなります。また、代理店の利用量が増えるほど割安になる料金設定が採用されています。現在すでに参加している11社の自賠責保険におけるシェアを合計すると、99%を超えています。2005年12月には、さらに2法人増えて13法人になる予定です。e-JIBAIは業界標準サービスの確立に向けて、着実に歩を進めつつあるのです。

e-JIBAIシステム全体像

※本文中の組織名、職名は公開当時のものです (2005/10/17公開)
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