2012年1月26日
株式会社野村総合研究所
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、2011年10月、日本の大手消費財メーカーおよびサービス産業の企業を対象に、「消費財メーカー・サービス産業の海外展開に関する調査」を実施しました。
本調査から、非製造業の海外展開に関して得られた主な結果は、以下のとおりです。
すでに海外進出(※)している国・地域として、「中国」をあげる非製造業の企業が71.9%で最多となっています。次いで、「ASEAN」諸国が50.0%、「米国」が45.8%となっています(図1)。それに対し、今後海外進出を検討中の企業に対して、対象とする国・地域を尋ねたところ、「米国」が7.4%、「欧州」諸国が5.3%と低い一方、「中国」が55.9%、「ASEAN」諸国が60.3%となっており、ASEANは中国と同程度に有望視されています(図2)。
すでに先進国並みにサービス産業化が進んだシンガポール以外のASEAN諸国においても、今後、GDPの伸びにあわせてサービス産業化が加速すると考えられ、日本の非製造業がよりASEANへ進出しやすい経済環境となるとみられます。
海外進出を検討中の企業に対して、進出する際の悩みを尋ねたところ「パートナーの選定」という回答が最多の61.8%となりました(図3)。
それに続く悩みとしては、「現地の法律・規制の収集(54.4%)」、「海外進出のタイミング(50.0%)」、「現地の商習慣の理解(48.5%)」などがあげられています。日本の非製造業の企業にとって、現地企業との関係構築や現地情報の収集が難しいことから、現地で協働できるパートナーを求める意向が高く、その選定で悩む企業が多いものと考えられます。
進出先の国・地域別に、成功・失敗の状況について尋ねたところ、中国では「成功している/した」が27.9%、「失敗している/した」が20.2%となっており、成功している企業も失敗している企業も多いことがわかります。中国国内では、「上海」で「成功している/した」と回答した企業が37.3%と最も高くなっています(図4)。また、「香港」、「台湾」に進出した企業では、「成功している/した」と回答した企業が、それぞれ40.6%、35.7%と高くなっています。
ASEANでは、進出後、時間が経っていないことなどから、全体的には「どちらとも言えない」とする回答割合が64.5%あり、高い傾向にありますが、「失敗している/した」とする回答割合が8.2%となっており、他の国・地域に比べて低くなっています。ASEANの中を見ると、「シンガポール」、「マレーシア」に進出している企業においては、成功しているという割合が、それぞれ40.7%、35.7%と高くなっています。
このように、アジアでは、香港、台湾、シンガポール、マレーシアといった華僑文化圏で成功していると評価する企業が目立ちます。
今回の調査結果から、今後、日本の非製造業が強い進出意向を持つASEANは、他の国・地域に比べると、失敗している企業の割合が低いことが分かりました。ASEANの中では、特にシンガポール、マレーシアにおいて成功している企業の割合が高いことから、シンガポールやマレーシアにおいて現地企業との関係構築、文化の理解、ビジネスモデルの試行など、ASEANにおける事業基盤を獲得することで、ASEANにおける本格的な事業展開の足がかりとすることが可能になると考えられます。
NRIでは今後も非製造業の海外進出に関する調査研究を通じ、非製造業の海外進出促進に向けた提言を行っていきます。
| 調査名: | 「消費財メーカー・サービス産業の海外展開に関する調査」 |
| 実施時期: | 2011年10月14日〜31日 |
| 調査対象: | 国内の消費財メーカーやサービス産業の企業で売上高上位の5,000社 |
| 調査方法: | 上記企業の海外事業部門または経営企画部門の役員もしくは部室長に相当する役職者を宛先とし、調査票を郵送にて発送・回収 |
| 有効回答数: | 370社(回収率:7.4%、うち非製造業349社)
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| 調査担当: | 消費財・サービス産業コンサルティング部 倉林、伊豆、森田、高野、八浪 |