2009年12月21日
株式会社野村総合研究所
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、会長兼社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は、2014年度までの国内を中心とするIT主要5市場の分析と規模の予測を行いました。2009年12月16日に発表した、ブロードバンド関連サービス市場、放送メディア市場に続く第二弾として、今回は、ネットビジネス市場7分野、モバイル市場4分野、ハード市場5分野についての予測結果を発表します。
PC(パソコン)向けに加え、携帯電話向けの市場が伸びており、全体として順調な拡大が期待できます。全体では、2009年度の約8兆円から、2014年度には約14兆円へと、約1.8倍に増加することが見込まれます(※4)。ここで扱うネットビジネス市場の中で、最も大きな割合を占めるのは、BtoC EC(消費者向け電子商取引)の市場で、2014年度には約12兆円に達する見込みです。これからの5年間、市場拡大をけん引するのは「モバイル(携帯電話向け)EC」であり、BtoC EC全体に占める割合は、2009年度の17%から2014年度には20%を超え、金額規模で2.5兆円を突破すると見られます。
携帯電話の契約者数は1億を超え、通信事業収入の面から見て、市場は成熟しつつあります。携帯電話市場の事業構造は大きな変革を迫られ、契約件数といった「量的な」成長から、コンテンツ・サービスの利用拡大やソリューションの提供など「質的な」成長へのシフトが求められています。さらに、海外で起こっているスマートフォン市場の成長や、端末のOS分野にみられるようなオープン化の進展など、この市場は大きく転換期を迎えようとしています。
各種IT機器に関して、機能・性能で差別化が可能な分野は一部に限られつつあります。また、全世界的な競争激化を背景に、製品単価はさらに大きく下がりました。先進国市場の成熟感が進む一方、新興国の需要は量として無視できない規模になり、高い成長性を示しています。
このような環境下で、メーカー各社は、新興国を重点エリアに設定して、販売ボリュームの拡大とグローバルシェアの確保をねらう戦略と、スマートフォンに代表される製品の差別化・高付加価値化をねらう戦略へのシフトを鮮明化しています。
市場分析や予測の詳細は、東洋経済新報社より12月22日(予定)に発売される単行本『これから情報・通信市場で何が起こるのか〜IT市場ナビゲーター2010年版〜』をご参照ください。
| BtoC EC (消費者向け商取引) |
インターネットを経由した一般消費者向けの商品・サービス販売の市場を指す。携帯電話、スマートフォン、PDAを用いたインターネット経由の商品・サービスの販売(モバイルEC)を含む。旅行のように、実際の決済が実店舗で行われ、ネット上では完結しない予約も含む。自動車や不動産に関連するサービスは市場規模に含めない。またオンライントレードなど金融サービス市場、デジタルコンテンツ市場(音楽や映像)および公営競技やオークションも含めない。 |
|---|---|
| インターネット広告 | Webサイトや携帯端末向け情報サイトにおける広告掲載、および電子メールによる広告配信など、インターネットおよび携帯電話を利用して提供される広告に関連する市場。広告コンテンツの制作費は含めない。 |
| 音楽配信 | 「インターネット音楽配信市場」と「携帯電話音楽配信市場」の2つからなる。前者は、インターネットを経由して、PCやオーディオ機器に楽曲をダウンロード販売するサービスへの支払額。後者は、携帯電話端末向けに楽曲をダウンロード販売するサービスへの支払額。どちらの市場も、楽曲全体の配信を対象とし楽曲の一部のみを配信するサービスは含まない。 |
| オンラインゲーム | 家庭用ゲーム機(携帯型を含む)やPCを利用し、ネットワークを介して行うゲームサービスへの支払い額。ただし、ゲームソフト本体をネットワーク経由でダウンロードし、機器内において独立で利用するゲームソフトの市場や、「セカンドライフ」などのバーチャルワールド系サービスの市場は、除外している。ゲーム端末としては「据置型ゲーム機」、「携帯型ゲーム機」、「PC」の3つを対象とする。なお、携帯電話向けのゲームは「モバイルコンテンツ市場」で扱う。 |
| インターネットオークション | インターネット上でのオークション取引を仲介するために、事業者が設置した専用サイト(オークションサイト)を利用して、個人同士または事業者から個人へと商品が流通する取引の総額。ただし、インターネット経由で個人が事業者に代行を依頼し、実際の競売は事業者間の専門取引所で行われる中古車オークションなどは含まない |
| オンライン決済 | 企業対個人(BtoC)で行われる電子商取引(EC)において、課金・決済にともなって生じるサービスの市場。インターネットなどを通じて商品やサービスの購入が行われる際に、第三者である決済機関(銀行等)が、手数料など取引参加者から取得する金額の合計。運送会社による代金引換サービスの手数料や、エスクローサービス(売り手と買い手の間に入り、金銭や物品の授受を仲介するサービス)の利用料金などは含まない。 |
| 非接触IC決済 | 非接触IC技術を活用した決済サービスにおける取扱高。前払い式(プリペイド)の「非接触IC電子マネー」と、後払い式(ポストペイ)の「非接触ICクレジット」から構成される。鉄道やバスの乗車券、定期券として利用できるものは、乗車運賃以外の利用について対象とする。「ICカード」および「携帯電話内蔵の非接触IC機能(おサイフケータイ)」の2つのサービス提供形態の合計。 |
| モバイルキャリア(携帯電話事業) | 携帯電話の通信事業収入:国内携帯電話事業者の総電気通信事業収入(PHS事業の収入は含めない)。各年度の契約回線数×年間ARPU(回線あたりの平均収入)から算出。 |
|---|---|
| ワイヤレス・ブロードバンド |
無線LANや第3世代携帯電話、2.5GHz帯を利用した無線サービスのうち、以下を対象としている。
いずれのサービス市場についても、初期加入料や契約手数料あるいは端末代金は含めていない。 |
| モバイルコンテンツ | 携帯電話を使用して、有料コンテンツを配信するサービスの売上。無料コンテンツの配信サービスで生じる広告収入などの売上は含めない。着メロなどの「エンターテインメント系市場」と、ニュースや天気予報などの「情報サービス系市場」に分類される。 |
| モバイルソリューション |
下記のようなシステムのユーザー企業が行う情報化投資金額の全体(ベンダーに支払う金額だけでなく、社内の人件費なども含む)。
|
| 薄型テレビ | 液晶テレビ、プラズマテレビ、MD(Micro Display)タイプリアプロジェクションテレビ(CRTリアプロジェクションテレビは含まない)、有機ELテレビの合計。 |
|---|---|
| 携帯電話端末 | 日本国内あるいは全世界で出荷される携帯電話端末の市場。PHSなどは除く。 |
| デジタルカメラ | CCDやCMOSなどの撮像素子を用いて、静止画の撮影を主目的とするものを「デジタルカメラ」と定義する。音楽再生機能や動画撮影機能が付属しているものも含める。ただし、携帯電話など、静止画の撮影以外を主目的とする機器にデジタルカメラ機能が付属しているものは含まない。動画撮影を主目的とするデジタルビデオカメラや、マルチカメラと呼ばれる動画と静止画の撮影機能をあわせ持ったハイブリッド型カメラも含まない。 |
| 車載情報端末 | カーナビゲーションシステム端末の国内販売台数。自動車用品店等で一般消費者に販売される「市販品」と、国内自動車メーカーに納入され、完成車に組み込まれる「純正品」の合計台数。簡易型で持ち運べるPND(ポータブルナビゲーションデバイス)を含む。 |
| ロボット | ロボットを「移動手段を有し、センサーからの入力に対して自律的に処理を行った上で動作する機械」と定義し、ロボット市場は、この装置(ハードウェアおよびソフトウェア)の部分を対象とする。家庭用やオフィス、病院用などの非製造業用ロボットを対象とし、製造業用や軍事用ロボットは対象としない。玩具や企業のプロモーション用途など、エンターテインメントに特化したロボットも対象外とする。人間が身体に装着し、その動作を支援するパワーアシストスーツ(ロボットスーツ)は、独立した移動手段を持たないが、人間を直接的・間接的に補助することで移動を実現するものであり、例外として当該市場に含める。 |