2008年12月12日
株式会社野村総合研究所
金融危機下でも、「守り」と「攻め」の経営戦略を同時に展開
〜 「金融危機下における日本企業の経営戦略に関するアンケート調査」を実施 〜
2008年12月12日
株式会社野村総合研究所
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、会長兼社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は、2008年11月下旬に、国内上場・未上場企業を対象に、「金融危機下での経営戦略に関するアンケート調査」を実施しました。その結果、回答企業の約9割が自社を取り巻く経営環境が悪化していると認識し、半数を超える企業が現在の経営環境変化を脅威と認識しています。一方、経営環境変化に対して守りに徹している企業は1割強にとどまっています。企業は、業務改革・コスト削減・合理化などを進めつつも、人材採用・育成や新規事業開発などへの投資拡大意欲を示すなど、現在の金融危機下でも守りと攻めの経営戦略を同時に展開しようとしていることが分かりました。
【企業の約9割が経営環境の悪化を認識。事業への影響は今後2年程度つづく】
2008年4月〜9月と比較した現時点の経営環境を尋ねたところ、22.6%が「大変悪くなっている」と回答しています(図1)。「悪くなっている」(63.3%)と合わせると、企業の約9割(85.9%)が自社を取り巻く経営環境が悪化していると考え、また、現在の経営環境変化が事業に与える影響は「2年程度」(49.5%)と考える企業が最も多くなっています(図2)。 具体的に、経営環境に悪い影響を及ぼしている背景・要因を聞いたところ、「国内経済の減速・景気後退」、「世界経済の減速・景気後退」、「国内市場・消費の減速」、「資源・原油・原材料価格の変動」が多くを占めました。一方、経営環境に良い影響を及ぼしている背景・要因としては、「円高による輸入調達コストの低下」、「人材の採用環境の改善」などが挙げられています。 【半数超が現在の経営環境変化を脅威と認識しているが、守りに徹している企業は1割強】 現在の経営環境変化に対する認識を尋ねたところ、28.7%が「脅威である」と回答しています(図3)。「どちらかというと脅威である」(22.0%)を合わせると、全体の半数を超える(50.7%)企業が、現在の経営環境変化を脅威と認識していることになります。一方、「好機でもあり脅威でもある」(41.3%)のように脅威のみならず好機とも捉えている企業も多くを占めています。 また、現在の金融危機・不況下における対応姿勢を尋ねたところ、「守りに徹している」企業は1割強(11.8%)にすぎません(図4)。「守りと攻めの両方を実施している」企業が約6割(58.3%)を占めるなど、現在の金融危機に前向きに対処しようとする企業が多いと考えられます。 【金融危機下でも、一方的な投資抑制はせず】 今後、投資を拡大/抑制したい分野を尋ねたところ、投資を拡大したい分野としては、「人材採用・育成」(38.7%)、「新規事業」(34.9%)、「研究・技術開発」(26.1%)、「製品開発」(25.7%)、「品質・安全性」(25.0%)が多くを占めました(図5)。一方、投資を抑制したい分野としては、「特にない」(44.1%)が最も多く、現在の金融危機・不況下において企業の投資が抑制されているだけではない状況がうかがえます。 これは、現段階で一方的に投資を抑制するのではなく、課題を解決するための守りの戦略を実施しながらも並行して、マーケティング・営業・販売の強化や人材採用・育成などの攻めの戦略も進めようとする企業姿勢があるものと考えられます。本アンケート調査では、経営環境変化に伴う経営上の課題として、72.5%が「業務改革・コスト削減・合理化」と回答し、次いで、「マーケティング・営業・販売」(62.1%)、「人材」(44.1%)、「研究開発・新規事業」(34.7%)が多くを占めています(図6)。企業は、現在の金融危機下において、守りと攻めの経営戦略を同時に展開しようとしていることが推察できます。 【国内消費の安定化・浮揚策に期待】 現在の経営環境変化や不況を乗り切るために、期待する政策や制度を尋ねたところ、「国内消費の安定化・浮揚策」(63.1%)が最も多く、次いで、「世界の金融資本市場の安定化策(41.1%)、「法人に対する減税」(35.9%)、「国内金融資本市場の安定化策」(34.7%)などが挙げられています(図7)。 企業は、現在の金融危機の根底にある金融資本市場の安定化策を期待するとともに、国内消費の安定化・浮揚と法人減税など、直近の経営環境の改善につながる政策・制度にも期待を寄せていることがうかがえます。 NRIは、本調査結果も踏まえ、現在の金融危機下での日本企業の経営動向の分析を進めるとともに、金融危機を乗り切るための日本企業の経営改革・戦略展開を支援していきます。 本アンケート調査の詳細な分析結果は、12月22日(月)に開催予定の調査結果報告会での報告を予定しております。報告会の詳細・申込方法は、NRIホームページに掲載しています。 http://www.nri.co.jp/publicity/seminar/081212.html 【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】 株式会社野村総合研究所 広報部 馬場、瀬戸 TEL: 03-6270-8100 E-mail:
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