NEWS RELEASE
人口減少を経験した95%の自治体が社会資本の整備・管理に危機感
〜 「人口減少が社会資本に与える影響に関するアンケート調査」を実施 〜

2008年11月20日
株式会社野村総合研究所

 株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、会長兼社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は、今年8月から9月にかけて、人口減少を経験した全国の918自治体(市区町村)を対象に、「人口減少が社会資本に与える影響に関するアンケート調査」を実施しました。
 NRIでは、財政が厳しさを増すなか、今後の人口減少が社会資本の整備・管理に大きな影響を与えるのではないかと考え今回の調査を実施しました。その結果、人口減少を経験したことがある地方自治体の95%が将来における社会資本整備・管理に危機意識を持っていることが分かりました。
 具体的には、財政制約が大きく、社会資本に対する新規投資や更新投資が困難になったり、維持管理さえも十分にできなくなるという危惧が多く見受けられました。また、財政制約を回避する手段として、民間資金の導入に肯定的な意見が約7割を占め、公的資金のみに頼らず、民間資金を活用した社会資本の整備・管理を求める意見が多くみられました。

【人口減少を経験した95%の自治体が将来の社会資本の整備・管理に危機意識】
 今後の社会資本の整備・管理に対する危機意識を尋ねたところ、72%が「強い危機感をもっている」と回答しています(図1)。「やや危機感をもっている」(23%)と合わせると、全体の95%が将来の社会資本の整備・管理に危機意識を持っていることになります。
 その内容については、「財政制約が大きく、維持管理が十分にできなくなる」が73%、「財政制約が大きく、新規投資をすることができない」(71%)、「財政制約が大きく更新投資をすることができない」(66%)が多くを占めました(図2)。財政制約に伴い、社会資本の新規投資だけでなく、更新投資や維持管理が重要な問題という認識が見られました。

【財政制約を回避するためには民間資金の活用も必要】
 財政制約を回避する手段として、民間資金の導入意向について尋ねたところ、「行政と民間の役割分担を明確にし、民間資金の導入を進めるべきだ」が62%と最も多く、民間資金を積極導入(9%)、一部の社会資本に限定して導入(2%)を合わせると、73%が民間資金の導入に肯定的な考えであることが分かりました(図3)。
 一方、「行政が整備・管理すべきで財政の範囲内で対応すべきだ」(11%)と「自治体だけでなく、国・都道府県が責任をもって整備・管理すべきだ」(11%)を合わせても約2割にとどまることから、おもに公共財源のみに頼った現行の仕組みだけでは、将来の社会資本の整備・管理の費用を賄えきれないという意識がうかがえます。

 本アンケート調査の詳細な結果は、NRIホームページに掲載しています。
 URL: http://www.nri.co.jp/opinion/r_report/index.html

 NRIは、今後も日本の社会資本に関する調査を実施し、課題や解決策を探っていきます。

※社会資本: ここでは、道路、港湾、航空、鉄道・地下鉄、公共賃貸、下水道、廃棄物処理、水道、都市公園、文教施設、治水、治山、海岸、農林漁業関連などの施設を総称したものを指す。


【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社野村総合研究所 広報部 日下部、瀬戸 TEL: 03-6270-8100 E-mail:


【ご参考】


調査概要
 
「人口減少が社会資本に与える影響に関するアンケート調査」
実施時期: 2008年8月22日〜10月6日
対象: 1975年と2000年の国勢調査を比較し、人口が減少した基礎自治体918自治体
方法: 各自治体の政策・企画担当部局の担当者宛に郵送にて発送・回収
有効回答数: 464自治体(回収率は50.5%)
調査体制: 既に人口減少を経験している自治体の実態の詳細を把握し、今後の社会資本管理に関する政策の方向性について意見収集すること等を目的に、NRI、東京大学、関西大学、Imperial College Londonの研究者による共同研究の一環として実施
調査担当: 野村総合研究所 宇都、植村、小林、北崎、稲垣、松岡
東京大学空間情報科学研究センター 副センター長・教授 浅見泰司
関西大学環境都市工学部都市システム工学科 准教授 北詰恵一
Imperial College London Dr. Susana MOURATO(現在The London School of Economics and Political Science)

図1: 今後の社会資本整備・管理に対しての危機感(N=464)
  「今後の社会資本整備・管理に対して、危機感をお持ちですか? 該当するものを1つ選んでください」
図1:今後の社会資本整備・管理に対しての危機感(N=464)

図2: 懸念される危機の内容(N=440、複数回答)
  「具体的にどのような危機が懸念されますか? 該当するものすべてを選んでください」
図2:懸念される危機の内容(N=440、複数回答)

図3: 財政制約を回避するための民間資金の導入意向(N=461)
  「今後の社会資本整備・管理について、財政制約を回避するため、民間資金の導入を進めるべきだと思われますか? 該当するものを1つ選んでください」
図3:財政制約を回避するための民間資金の導入意向(N=461)


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