NEWS RELEASE
ソーシャルコンピューティングのオープン化により
サービスの連携が加速
〜 2013年度までのソーシャルコンピューティングの進展を予測した「ITロードマップ」を発表 〜

2008年11月19日
株式会社野村総合研究所

 株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、会長兼社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は、2013年度までのソーシャルコンピューティングの進展を予測した「ITロードマップ」を発表します。

 ソーシャルコンピューティングとは、人間同士が社会的なつながりのなかで、さまざまなコンテンツや活動を共有できるように支援するコンピュータシステムの利用形態を指す概念です。具体的には、SNSやブログ、ソーシャルブックマーク(※1)、写真・動画共有サイトのように、消費者がコメントやレビューを書いたり、活動の記録をWeb上に残しながら、他の参加者と共有することで緩やかにつながることのできるサービスを指します。
 これまでソーシャルコンピューティングを指向するサービスの多くは、ネット上の独立したサービスとして提供されていたため、ユーザはサービス毎に自分のIDを登録し、写真や動画などのコンテンツもアップロードしなければなりませんでした。その結果、ネットのさまざまな場所に異なるIDやコンテンツデータが散在してしまうという問題を引き起こしていました。
 しかし、今後はSNSと他のソーシャルアプリケーションの連動を実現するSNSプラットフォームのオープン化や、複数のサービス間でIDを相互利用するIDのポータビリティが実現していくことで、消費者は、これまでWeb上に分散していた自分の社会的なつながりやデータを集め、再編成できるようになります。その結果、消費者は、Web上のサービスやコンテンツ、他の人々とのコミュニケーションの記録を自由に組み合わせて一貫した体験を実現したり、自分とつながりのある人々の体験を参考にして消費活動をするようになります。
 SNSプラットフォームのオープン化やIDのポータビリティの実現で、企業と消費者の関係も変わります。これまでサービス毎に分散していた消費者の社会的なつながりや行動に関する情報を集約して扱うことができれば、企業は個々の消費者がWeb上でどのような消費活動やコミュニケーション活動をしているかを把握し、サービスを提供することが可能になります。


ソーシャルコンピューティングのロードマップ

2008-2009年度は、サービス間での緩やかな連携が始まる
  ひとつのIDでWeb上の複数のサービスに対して認証を行うOpenIDが普及することで、サービス事業者間で緩やかなサービスの連携が始まります。
OpenIDは、IDにURLを用いているのが特徴で、OpenIDに対応したあるサイトのIDをOpenIDに対応した別のサイトの認証に用いることができます。今年よりMixiやYahoo!など多くの顧客IDをもつポータルサイトやSNSなどのサービスで採用されはじめています。

2010-2011年度は、ソーシャルコンピューティングの発展期。
  OpenSocial(※2)やFacebook Platform(※3)などオープン化されたソーシャルコンピューティングプラットフォームに対応したサービスが数多く登場します。アプリケーション開発者は、一度アプリケーションを作成すればさまざまなSNSに展開することができるようになります。今後、アプリケーションの流通が進むことで、インターネットユーザは豊富なソーシャルアプリケーションを利用できるようになります。 消費者にとって、さまざまなサービスを利用する機会が増えると、「自分のデータを自由に持ち運び、加工したい」というデータポータビリティのニーズが生まれてきます。このころより、持ち運ぶ範囲などが限定的ではあるもののデータポータビリティが実現されていきます。

2012年度以降には、様々なサービスでソーシャルデータの持ち運びが可能に
  このころには、データポータビリティが普及期を迎え、サービス間でのデータの持ち運びが一般化していきます。消費者は自分の属するサービスにとらわれず、必要に応じて自分の活動にまつわるデータを集約することができるようになります。その結果、消費者は自分のWeb上での体験を総合的に考慮した結果をもとに、最適化されたコンテンツやサービスのレコメンデーションを享受できるようになると予測されます。
一方、消費者に財やサービスを提供する企業にとっては、自社の提供するサービス内における消費活動のみでなく、消費者の社会的な行動まで把握した上でのサービスの提供が重要となります。そのため、今後企業においてもソーシャルコンピューティングの重要性は増すと考えられます。

※1 ソーシャルブックマーク: ブックマークをオンライン上に公開し、他人と共有するサービス
※2 OpenSocial: 2007年11月にGoogleが提唱したソーシャルアプリケーションを開発するための共通アプリケーションインターフェース
※3 Facebook Platform: Facebook上のアプリケーションを開発するためのプラットフォーム
   

【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社野村総合研究所 広報部 横山、瀬戸 TEL:03-6660-8370 E-mail:

【本調査担当者】
株式会社野村総合研究所 技術調査部 亀津


【ご参考】


「ITロードマップ」とは、
IT戦略の意志決定を支援することを目的に、5年先までの情報技術を予測したNRIの技術見通し。
NRIの技術調査部が半期ごとに公表しています。


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